1217日 無味

 さて、甘い・渋い・苦いは畢竟偏味である。その至極は、もはや甘いとも渋いとも、苦いとも、何とも言えないうまい味である。例えば、老子には、それを「無味」という。無味とは「味が無い」ではない。「偏味でない」ことである。何とも言えない、うまい味のことである。