敬とは
佐藤一斎先生は、
その敬を説いて「有為にして無為」、
きびきびと大事な問題を処理してゆくと共に、
やましいこと、道でないこと、そういう本末を顛倒したようなことはしない。
これが敬だと言うのです。
有為とは道より言えば無為であるが、現実の社会生活から言うと有為であります。
利害打算、けちな欲望、或は手練手管というようなものを超越する。これが無為である。
そこで始めて事をきびきびと処理することが出来るから有為であります。
つまり無為にして有為なのが誠であると言うことになる。
その有為は結局無為に基づきますから、これは敬であります。
従って、敬と誠とは一体のものであるということになるわけです。
安岡正篤先生の言葉