されどアメリカ

北朝鮮という、小さい、経済力のない、閉鎖国家が常識では考えられない抵抗を示している。

冷戦時代、或いは、数年前のアメリカでは想像のつかない「アメリカの弱体化」が原因である。数年前なら、一撃で北朝鮮など崩壊させたであろう。現在でも物理的には可能である。

アメリカはいいように北朝鮮にされている。言いかえると、いいように中国にさせられていると云える。

それは 

一つは、高句麗民族の民族的純粋さにある。世界的に見れば、民族的に稀な純粋さがあるからだ。アメリカのように難民の寄せ集め国家と違うものを認めざるを得ない。だが、北朝鮮のそれは歴史的に見れば一過性権力であり、ガラス細工であり、歴史的必然的に破滅は免れない。

然し、北朝鮮の破産で困る中国・韓国の痛い所を突いた生存をかけた恫喝外交が巧みである。破滅覚悟の産物だけに強いものが見られる。 

二つ目は、やはり中国の存在、北朝鮮と同様にアメリカの弱化を見て、本心で北朝鮮の核を排除しようとしていない。本気で北朝鮮に対処していない。やはりずる賢い中国だ。北朝鮮と中国の国境付近で、北朝鮮崩壊による難民200万人が決断を躊躇させているのであろう。中国は決断していない、アメリカの弱体化を睨みそれを加速させようとしている。北朝鮮による、アメリカのベトナム的疲弊をアメリカにもたらそうとしている。

中国は油断ならぬ。安倍政権登場に際し、豹変して、日本を懐柔し中国経済大破綻にも備えている。日本は中国に丸ごとやられる恐れがある。
 

三つ目は、アメリカそのものだ。この国の外交は対日本の戦前の外交と言い、ベトナム、アフガニスタンといい、イラン、イラクと言い、実に目先だけで失敗の多い外交をしていると痛切に思う。下手くそ外交だ。イラクへの戦闘開始の時、日本は敗戦して民主主義国となったとブッシュは抜かしたが、これ程の認識不足はあるまい。

アメリカの日本占領の成功は「天皇陛下の存在」であり「日本人と皇室」の関係を抜きにする大統領の認識がおかしいし、それがアメリカ人の認識不足であり、外交下手な所以であろう。

日本は千年前からの文明国である。欧米文化より早い独自の文明国・日本であるとの認識不足、民社主義などは明治の五箇条のご誓文にその精神があり、大正時代には民主主義の風が吹いていたのである。

アメリカの強引な手法が場当たり的で戦後も多くの敵対国を作っており残念。アメリカンの良さが理解できるだけに惜しいのである。

近未来には、いずれ、世界は、アメリカと中国との対決となる。中国などより遥かに、遥かに素晴らしいアメリカである。それだけに、さらばアメリカと言えないのである。やはり「されどアメリカだ」。アメリカよ、頑張って呉れよ!

平成18121

徳永日本学研究所 代表 徳永圀典