戦後古代史総見直しブーム発生

「学問は歴史に極まり候」、私の好きな荻生徂徠の言葉だ。
敗戦時、歴史教科書は米軍によりズタズタに墨で消されたが、社会人となり弛むことなく歴史を勉強してきた。
現在80歳くらいの方々でも意外と国史を知らぬことに驚嘆している。

戦後、司馬史観と称される歴史ブームもあり、日本人のルーツは大陸と朝鮮半島からと私も信じた一人であった。

戦後70年、古墳の発掘等考古学の進歩とDNA科学の発達により、血液と人骨からルーツが科学的に解明されてきた結果、戦後の古代史常識が根本的に変更を迫られつつあると思われる。

例えば言語、フォルクスワーゲンはドイツ語、英語ではフォークスワゴン、大衆車の事であるが英国とドイツは先祖が共通だから発音が似ている。

処が日本土着のやまと言葉と朝鮮語、中国語は共通するものが全く無いらしい。それはルーツの違いを意味する。
それだけではない、人骨のDNA鑑定により日本人の先祖の縄文人は大陸方面からやってきたのではなく氷河時代に地続きのチベット方面らしい。

縄文人と、大陸から渡来した血統との混血=弥生人が現代日本人であるとDNA研究により証明されている。日本人の四割はY染色体D1b保有だが中国人・韓国人には殆ど現れぬという。

日本人の主流は縄文人でチベット・北東アジアからであり、アイヌ人、本土日本人、沖縄人は同じ系統に属すとの結論だ。
出雲人と東北人のDNAが近く、関東人は弥生系が多いのはそれを示す。

考古学では、前方後円墳は日本だけの筈だが朝鮮半島の南半分で前方後円墳も発掘されている。日本歴史は極めて特異で、中国文明でもない、正に日本文明なのである。興味ある方は挑戦されては如何。
     徳永圀典