12月24日 美人
史論にもよくありますが、美人であって、しかもその美貌のごとく美しい心、美しい徳を持った婦人というのは非常に少ない。美人というのはとかく美を鼻にかけて傲慢になったり、他の女を見ると、私とどうだとつい比べて、何とか否定して自尊心を満たさんと納まらないという性癖を生じやすい。それだけに美人がその美貌にふさわしい情操徳性をもって、その美貌を真の美にするということは非常に難しい。その意味においても、民帝の妃馬皇后のごときは、中国の歴史においても実に稀な美人の貴人であった。
三国史と人間学