鳥取木鶏会 12月講話   徳永圀典用

アメリカの決断

内需拡大を叫ぶアメリカ 欧米原理の終焉  混迷深化の世界 

人類全体が間違った方向に向かっている。

21世紀の構図、方向性が見えてきたアメリカの決断。「終末の太平洋戦争」 

四患    ()()(ほう)(しゃ)    

国家が亡ぶか興るかの目処(めど)が四患、これが揃えば亡国。

人間あるいは歴史の興亡の理に明るい安岡正篤先生指摘の言葉、「国の四患」。個人にも言えることでありましょう。 

国が広いとか狭いとか、人口が多いとか少ないとか、物産がどうとか貿易がどうとか、ということではなくて、その国家の生活、国政というものが、どれだけ真実であるか。逆に言えば、うそ=偽ではないか。うそ()が横行していないか。或は、どれだけ公正、(おおやけ)であるのか。国民生活、政治が、どれだけ公正なのか、為政者に私利私欲無きや。 

個人で申せば、家柄・出自がいいとか、お金があるとか、地位が高いとか、大学を出ているとか、商売がどうとか、どんな場所で働いているとか、これは皆な、人間の表皮に過ぎません、人間の本質・本性ではありません。大体、人間が生きる上に必要な商売はみな善であると私は思うのであります。 

私思うに、朝は夜が明ける、夜は暗くなる、これみな大自然の「法「であります。人間世界というものは、大自然同様に法の支配で成立しています。これに基づいての法の支配がある。法律、法制、法令が、どれだけ正しく行われているのか。或は、そうでなくて、我がまま、無法、無軌道、という意味の「放」になっていないか。法が無くなって「放」になっていないか。

人間というものは、素朴・剛健でなければ、生命は育たない。人間にとり一番いけないのは、「(おごり)」であります。これは引き締めなくてはなりません。これが「節」であり「倹」です。 

資源がどうとか、貿易がどうとか、外資がどうとか、を議論するよりも、国家、国政、国民生活の状態が良くわかる。

アメリカ流の、内需拡大の経済成長ばかり唱えていては際限なく破滅を招来するだけであります。アメリカ流、市場経済は行き詰まるのは必然であります。

何故ならば、内需拡大を叫び、国債発行を増大し消費を奨励するだけですから。大自然の法、人間の作った現行法体系に照らしても無制限と言うことは有り得ない。必然的に物理的限界が到来する、と私は確信する。 

-偽、公-私、法-放、倹−奢、その偽、私、放、奢は、国家の病気です。人間の病気であります。これが揃えば四患、いつかは、個人も国も亡びざるを得ないのであります。 

この世界の現象を、巨視的に洞察しなくてはなりません。 

昨今の世界も日本も、人間自体も、どこか間違っていると思わざるを得ないのであります。早く気がついて自己反省の時代が到来しなくては絶対に救いはありません。

人類は、世界は、日本は、人間は、自滅の道を突進しているのではないか。 

泰平は人間を堕落させる

泰平無事というのは、良いようで余り長く続くと「曲者」であります。

逆説的に言えば、戦争があった方が良いと思わざるを得ない。適切で破滅的でない戦争、人間の緊張が社会を正常化させる要素であります。男女関係の正常化にも繋がる、とさえ思うのであります。元禄、大正元禄、平成元禄、でも必ず元禄は終わっている。終ると、男は男らしくなっている。

泰平無事というのは曲者であります。大変結構なのだが曲者であります。

そこが人生というもの、人間社会のデリケートな点でありましょう。

例えば、我々の個人生活、肉体生活もそうであります。余り太平無事、平穏だから、人間の健康というものも、だらしなくなります。

やはり、身体、健康というものは、鍛えなくてはダメであります。精神的にも然りで、何にも苦しみが無くては精神は「伸び切って」しまう。つまらなくなります。

泰平もそうでありまして、どうしても泰平は人間を堕落させる。泰平の中でいかに堕落しないか、質実剛健の生活です。

私など、朝4時起床からの勤行と登山鍛錬!!

この風を直そうと思って「綱紀を正す」、何事によらず「筋道を通す」、そうして「風俗を改める」、風俗に負けないで、従わないでも風俗を直して行く、これが大切なのであります。

学生は学生らしく、先生は先生らしく、役人は役人らしく、筋道を立てる、筋を通す事が大切で、それをほったらかして、色々と膏薬を張ってもダメなのであります。

原理原則、プリンシプルの確立が肝要であります。  

律令国家

  律と令。律は刑法、令は行政法などに相当する中央集権国家統治の為の基本法典。律も令も古代中国で発達、隋・唐時代に相並んで完成し、日本を初め東アジア諸国に広まった。律令国家とは、律令を統治の基本法典とした国家のこと。

五行 

  木、火、水、土、金、水

  

  中国古来の哲理に言う、天地の間に循環流行して停息せぬ木・火・土・金・

水の五つの元素。万物組成の元祖となる。

 

 日本で使用された暦には、太陰暦・太陽暦がある。602(推古10)百済の僧・観勒が歴法をもたらしたと伝え、604年以来、元嘉(げんか)()(ほう)大衍(だいえん)()()(せん)(みょう)、符天歴が中国から輸入・採用され、歴博士が毎年翌年の歴を作って上奏したものを頒布した。1684(貞享1)渋川春海が貞享暦を作り、以後これが宝暦歴、寛政歴、天保歴と改善されて幕末に至った。これまでは、いずれも大陰暦。1872(明治5)123日を明治611日と定めて大陰暦を廃止、太陽暦を採用した。