国家の経略
「凡そ国家を経略しその彊土人民を保守するには、深慮遠謀なくんばあるべからず。故に進取退守は、必ずその機を見て動き、その不可を見て止む。恥ありと雖も忍び、義ありと雖も取らず。これその軽重をはかり、時勢を鑑み、大期する所以なり」
実情を無視して目標に直進するのは空論であり、状況に埋没して目標の展望を欠くのも因循姑息である。同様に、いずれも目測能力の不足を示すものである。不可と見れば潔く転換し、決して無理押しはしない。そして機会の来るのをじっくり待つ。義と見ても時に行わない。恥と見られても、敢えて動かない。時勢を待ち事を成すのでなくては仕損じるのである。
佐々木高行の言葉
平成19年12月5日
徳永日本学研究所 代表 徳永圀典