幸せ先取りの結末

韓国が10年間未払いローン債務を国が免除した、資本主義の自滅行為と観る。
米国も学生のローン七割が延滞債務化。世界全体の借金は天文学的18500兆円。
個人債務は5500兆円。返済可能の数字ではない。

昔は家を建てるのにコツコツと貯蓄して建てたものだ。今は、若い人でもローンで簡単に
に入れられる。日常生活の奢侈品もローンで簡単に手に入れる。

これって、考えて見れば「幸せの先取り」である。
これをみんながやれば、確かに経済も成長し、全体で見れば景気がよくなる。
戦後はケインズ主義と称し、不景気になると国家が国債を増発して公共事業を増やし景気を振興し経済成長を促してきた。これは世界的な現象であった。こんな事は何時までも続けられる訳はない。

20年前、百年に一度のリーマンショックでは米国が大量のドルを、中国は56兆円も国内でばら撒き大恐慌を凌ぎ世界の景気を支えた。日本もアメリカも欧州も国債を増発し国内経済の成長を求めてきた。

米国FRBも日銀も欧州中銀も景気振興の為、とてつもない金を市中に出した。

今や、世界にはペーパーマネーがうごめいている。

現実は物が有り余っている上、壮年・若年層はローン返済のため購買力が上昇せず何時までも不景気が続く、好景気など仕組みとして難しい時代となっている。
成長至上主義で、皆がやる幸せ先取りの効果を持つローンで経済全体が可笑しくなっている。

中国の企業債務は最大2000兆円、どのような事になるのか読めないが、資本主義が行き詰まりつつあるやに思える。

これって成長主義の限界ということである。

経済成長を求め続けたひどい結末が予測できそうに思う昨今である。
平成30年12月7日  徳永圀典