128日 天地の外に立つ

 しかし佳い人には案外逢えません。佳い山水もなかなか会えません。ただ佳い書物だけは、いつでも手に取れます。不幸にして佳い人に逢わず、佳山佳水に会わずとも佳書だけは会いたいものである。佳書によつて、私たちはしみじみと自分自身に話すことができる。天地が壊れる時も、ああ天地が壊れると語れるのであります。これが、天地の外に立つということであります。           人生の五計