「事実に反する」報道で朝日にひけをとらないNHK・国谷裕子

平成17年3月28日放映の『クローズアツプ現代』で都立高校の卒業式における国旗・国歌の取り扱いをテーマにした。
校長の職務命令に従うか否かに「苦悩」する四人の教諭の言い分を紹介した後、東京都の横山洋吉教育長のインタビューを流した。

番組で
国谷裕子キャスターが、「都教委はなぜ強制してまで徹底を図ろうとしているのか」と繰り返し、都教委の姿勢を「強制」と難じた。
明らかに都教委が教員に国旗掲揚・国歌斉唱を「強制」していると印象付ける編集だった。

都教委も4月6日取材協力依頼と番組内容が違うとしてNHKに「極めて遺憾」と申し入れた。

http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/soumu/nhk.htm

都立高校の教員は教育公務員であり、法規としての性質を有している学習指導要綱に従わなければならない。
学習指導要綱には「入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国家を斉唱するよう指導するものとする」とある(伝習舘高校事件最高裁判決)。
この法令に従わない教職員がいるからこそ都教委は平成15年10月23日に通達を出した。

朝日の報道を「事実に反する」と批判しているNHKだが、この報道番組の「強制」も事実に反する。
これは放送法の求める「報道は事実を曲げないですること」(第3条の2)に違反する。

「女性国際戦犯法廷」をめぐる朝日とNHKとのバトルも、報道の公正さや正確さを求めたものではなく、
単なる左翼同士の内ゲバにすぎない。

電波と紙の二大メディアは、実は双方とも「本日も反省せず」だ。
そしてそのどちらもが、女性の人権、教師の人権、子供たちの人権を盾にしている。
まことに厄介なことである(八木秀次)

 

NHK国谷キャスターについての私の考え  

ジョン・ランボーさん

日本を出て諸外国を見た人ほど感じるのですが国旗・国歌は非常に大切に扱われています。公共の建物以外でも祝祭日でなくてもたくさん国旗掲揚を見かけることさえあります。国谷裕子キャスターの政治信条まではわかりませんが日本の報道関係者の中では特に国際感覚を持った人物だと思います。英語力が最高レベルというだけではありません。彼女の欧米人との質疑の進め方からしてかなり文化・風土も理解しておられると思います。
もしかしたらNative以上かもしれません。
番組は見なかったのですが「あたりまえのことをなぜ日教組の先生や生徒に強制までしないとできないのか」という素朴な疑問ではないでしょうか。
なぜって、、、英国や米国の価値基準からは想像すらできないからでしょう。(2005年04月25日 07時24分33秒)

NHK番組】都教委・横山教育長の発言

 本日のNHKクローズアップ現代は「国旗国歌・卒業式で何が起きているのか」でした。深沢高校にカメラを入れ、国旗・国歌に揺れる学校現場の様子を追っています。以下、横山教育長へのインタビュー部分です。

とりあえずの訂正:テレビの映りと音声が悪くてよく分からなかったのですが、深沢でなく深川高校だったようです。
「クローズアップ現代」の都立高卒業式(澤藤統一郎の事務局長日記3/28)
http://www.jdla.jp/jim-diary/jimu-d.html

【国谷】:国谷裕子(くにや ひろこ)キャスター
【阿部】:阿部千恵子(NHK首都圏センター・記者) 
【横山】:東京都教育委員会 横山教育長

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【国谷】
 ご覧いただきました都立深沢高校のように国旗・国歌についての職務命令は都立の高校や養護学校の先生全員に卒業式の前に手渡されました。今年の都立高校の卒業式ではおよそ50人が命令に従わなかったとして処分される見通しとなっています。徹底した指導を行っています東京都教育委員会、横山教育委員長(ママ)に先ほど聞きました。

【国谷】 横山さん、お忙しいところありがとうございます。

【横山】はいどうも

【国谷】国歌斉唱の際、国旗に向かって立つということそのものに対して、なぜいわば強制までして徹底をはかろうとされているのでしょうか?

【横山】まず最初にこれだけは申し上げておきたいんですが、最近、近ごろですね、学力低下の問題とからんで学習指導要領という言葉がよく耳にされると思うのですが、実はその小学校あるいは中学校・高等学校で児童生徒に教えるべき最低限の内容というのはこの学習指導要領に書かれている、えー、示されているわけですね。しかもその学習指導要領というのは法規性を有する、要するに法的性格を持っているわけですね。
 そうしますと、その、教育公務員である教員には、いま申し上げたような学習指導要領を踏まえて、入学式や卒業式の指導を国旗・国歌の指導を行う、この責務があるわけでございますね。ちゃんと職責を果たしている教員のみなさんにとっては不本意なことではございましょうけれども、まあ、ごく一部とはいえ、こうした不適切な実態がありますことから、まあ、入学式や卒業式を適正に実施するために、教員、校長が教職員に対して職務命令を行っている、こういうことでございます。

【国谷】 国旗・国歌法が法制化されたときに、教育現場での強制はしないということを国は繰り返し答弁しているんですけれども、どうなんでしょう、この国の姿勢と都教育委員会の行ってらっしゃることの矛盾はありませんか?

【横山】 法規性を有する学習指導要領には一応書かれている、定められているわけですね。学校教育の中で行なっていることですから、それは強制うんぬんという話ではなくて、あくまでも学校教育の中で、教育課題の一つとしてやっぱり考えるべきだと思ってますがね。

【国谷】つまり内心でどのようなことを思っていても、形としての儀式は整えたいということですか?

【横山】そこまで言うとですねぇ、例えば、内心ていうのは、最近の裁判例でも内心が内心である以上はこれは当たり前のごとく自由です。しかし実際に、学校行事における卒業式あるいは入学式というそういう場で、その内心が表に表れその式典を阻害するような行為があった場合に、そこまで自由ということはないと思いますがね。

【国谷】 あのどうなんでしょう、教師の方々への指導を強めてらっしゃるわけですけれども、この先、生徒への指導も強化されるお考えでしょうか?

【横山】 私どもは生徒がそういう式典で自分の意思で起立しないことをゆえをもって教員を処分したことはございませんので。あくまでも教育公務委員としての教員の姿勢について問うているわけですから。

【国谷】そうすると国歌斉唱の際には確認ですけれども、生徒たちに立つことを指導することはしないということですね?

【横山】いや、国旗を尊重する態度を育成するというのはどういう意味かというのはおのずから分かると思うんですが、例えば、いかなる場合にでもですね、そういう式典の中で国歌斉唱時というのはあの普通は、普通の常識から言ったら起立するもんじゃないでしょうかねぇ。あの尊敬をする、敬意を払うということは。そういう、その指導をしていただきたいと、こう申し上げているわけです。

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【国谷】 はい、お聞きいただきましたように、横山教育長は学習指導要領で定めていることから、職務命令を出して徹底するのは当然と繰り返し強調していました。
 ここからは首都圏放送センターの阿部記者とともにお伝えしてまいります。国は強制はしないとしているわけですけれども、なぜ都教育委員会は、教師の方々から見ていわば強制と思えるようなば強い姿勢で徹底をしようとしているんですか?

【阿部】あの、教育委員会はいまの学校現場っていうのはですね、自由や権利が重視され過ぎていて秩序が欠けていると考えているんです。まあ、厳粛であるはずの卒業式で多くの先生や生徒が立たないという学校があったことがそういう象徴で、学校が異常な事態にあるとしているんです。
そこで職務命令を出してでも国旗・国歌の徹底を図っていくことが学校現場の秩序の回復につながると考えているんです。

【国谷】 立つことに対して抵抗はなくても、職務命令を出されて立つことについては抵抗があるという方もいらっしゃいますが、押し付けられているという気分が強いのでしょうか?

【阿部】 そうですね。現場の先生方を取材しますと国旗・国歌そのものに対する考え方というのは非常に様々なんですね。
ただ処分をともなう命令というやり方には反対という人がほとんどでした。
その理由としては、学校は多様な考え方を教えて生徒に判断する力、それをつけさせる場なのに、一方的な考え方を押し付けるようなのはおかしい
それが聞こえましたね。

【国谷】 深沢高校では全員が立ったということなんですけれども、学校全体、都立高校では50人が処分を受ける見通しだということですけれども、どんな処分を受けるんですか?

【阿部】 今週にも都教委は処分を言い渡す方針なんです。今回初めて立たなかった先生は戒告の処分になる見通しなんですが、去年に続いて立たなかった先生はより重い減給の処分になると見られます。
この問題は国旗・国歌の議論、国旗・国歌の是非についての議論というよりも、処分をともなう命令というやり方が教育現場になじむのか、そういったことが問われていると感じました。