日本海新聞潮流寄稿 平成14102

私の “戦争と平和論

どんなお方も戦争の好きな人はおるまい。難しい論議はさて置いて庶民感覚で素直に戦争を考えてみたい。

1.戦争には相手が必要。独りではできない。

2.隣家が我が家に向けて自動小銃を常置したら、どおしますか。お念仏のように、平和、平和と唱えるだけですか。

3.隣国、中国がミサイルを日本に照準しているのは事実であり平和条約あるも敵対的な態度だ。北鮮の日本人拉致、テポドンの日本向け発射など敵対と威嚇である。韓国は北鮮と対峙し、いわば準戦時下にある。ロシアは世界的軍事大国だ。隣国はすべて強力な軍事国家ばかりで而も道義国家ではない。

4.
米国と同盟していなければ、わが国は身が震う恐さの緊張が国民を覆っていよう。これは否定できない。否定する方は想像力に貧困がある。現在の平和な状況などありえない。

5.いつも不思議に思う事がある。広島原爆記念広場の石碑に、再び間違いを起こしません、とある。その発言者は誰なのか。加害者米国なら理解できるが、日本人だとしたら噴飯ものだ。原爆犠牲者は米国に殺されたのだ。戦争勃発の原因とは別問題。原爆や大都市の無差別大空襲は国際法違反の非戦闘員大量殺人である。

6.かかる実質敵対的隣国がある時、戦争する意志は全く無いが、国家として国民の安全の為に、隣国と同様に、しておくべき事はキチントしておくのは当然過ぎる生存権である。それを認めようとしない人々は神様なのか、我々は人間だ。国家維持の厳しさを忘れておる。万全の準備をして、相手に戦争の意志を放棄させる。叉、それを使用しない外交努力こそ国民もマスメディアも力一杯やるのが平和への正しい態度ではないか。しかも中国とか北鮮は共産主義の一党独裁国であり日本と全く事情が異なる。為政者が自由に国民もマスコミもいいように操っている。韓国でさえ、言論出版の自由がない事が、金ワンソプ氏著作、親日派のための弁明で立証された。

7.日本は政治を初め国民はノーテンキでバラバラ、大新聞もテレビも、国益追求を放棄しておる。隣国の真実の姿を報道しようとしない。これは戦中の新聞同様に国民を誤らせるものだ。中、韓とか北鮮に都合のいいような報道に見える。竹島、尖閣、日本海の呼称問題などの実態と本質を見て見ぬ振りをしている。中国の核兵器になぜ文句をつけぬのか、公正でない。日本的善意など通用しない非道義国なのだ。外交次元での言葉戦争の緊張に国民は馴れねばならぬ。多くの国民は分かっていて物言わずだから国益を損ずるのだ。故にノイズイな一部が巧妙に連動し深く潜行している。日本は隙だらけでバラバラだから、この時とばかり、中、韓は教科書、靖国問題を初め執拗に日本人の心に介入して、腑抜け日本の弱り目の歴史的チャンスとばかりに動いている。

8.
竹島を韓国国立公園に組み入れたと報道があった。約束違反の、友好国にあるまじき非道義的行為である。台湾と断交時、同国の欺瞞的態度を想起する。マスメディアは何故か知らぬ顔に見え、友好、友好と煽る。これは明白に国益を損ずる行為である。相手はお人好しではない。韓国は朝鮮戦争で北鮮と中国の侵略を受けたが旧宗主国中国とか、大韓航空機を撃墜されたソ連に対しては卑屈だ。今春、韓国が北方領土の漁業権をロシアから買ったのは反友好的なもので信義にもとる行為と断ぜざるを得まい。日本海の名称問題も、ごり押しの類だ。

9.このような隣国とどお対処するか。友好を願うが政府が筋を通して、言うべき事を言わぬから国民のストレスが溜まりつつある。歴史を見てもかかる問題は戦争の遠因となる。

10.悪の枢軸と言われる国も現存しているのだ、戦争に反対、反対という情緒的な主張は独りよがりで解決にならぬ。真剣に自国の歴史を学ばないから他国と丁々発止の議論ができないでいる。何故、戦争が起きたのか、偏狭でない史実を冷静に、世界的視野で学び―至難だが金ワンソプ氏、安ソウル大学教授のような偏見の無い人物も出てきた―英知の追求こそ平和への本当の理性的なアプローチだと思う。現実的には米国との堅い同盟こそが国益に適うが、世界の激動が将に始まらんとしている。

鳥取木鶏クラブ 代表世話人 徳永圀典