9月--お金社会学6 9月は欲望について


人間は欲望と名のついた電車であろうか。生存の二大要素、性と食あらばこそ生きている。進歩発展もある。されど、現代のこの酷さは、これは易の哲学から見ても破滅への道を歩んでいるのではないか。健康は粗食に在る。動物には性も食も節度がある。節制も節度も失った人類の未来は?????


9月1日 欲あれば即ち剛なし。   近思禄 私欲あらば真の強さは生まれない。
9月2日 忿-いか-りを懲-こら-し欲を窒-ふさ-ぐ。易経 怒りと欲が最も過ちを犯し、損を招く根本原因。
9月3日 財に臨んでは苟-いやしく-も得んとすること母-なか-れ。難に臨みては苟も免-まぬが-れんとすること母れ。小学 上に立つ人間、指導的企業にはその心がなくては社会の信頼は得られぬ。日本ハム、三井物産、東京電力どおしたのか。貧すれば貪するか、日本の企業は。志を失った組織の脱落は当然。
9月4日 理に順-したが-えば即ち裕-ゆた-かなり。 近思禄 私心、私欲を遠ざけて道理ある言動あらば、人間はいかなる場合でも心ゆたかに過ごせる。現役でも引退後でも可能、これこそ真の教養人。
9月5日 奢りは長ずべからず。欲は従-ほしいまま-にすべからず。志は満たすべからず。楽しみは極むべからず。小学 傲慢も欲望もほしいままにしてはならぬ。志も全部遂げてはならぬ。尽きるまで楽しみを求めない。これらは身を誤るものだ。日本ハムのオーナー、ダイエーのオーナー、そごうのオーナー気取りの男、皆そうだ。
9月6日 止まるを知るは、殆-あや-うからざる所以なり。老子 欲望の限度を心得、満足を知る事が身の安全。個人も企業も組織にも通用する。
9月7日 嗜欲-しよく-深き者は、其の天機浅し。荘子 欲深い人間は、その欲の深さに反比例して心が浅薄である。
9月8日 山中の賊を破るは易く、心中の賊を破るは難し。陽明全書 私心を去る事が実に肝要。欲望は常に人間を襲う。心して退治の努力を。
9月9日 心に物欲なければ、即ち之れ秋空霽海-しゅうくうせいかい-なり。菜根譚 物欲さえ無ければ人間はいつでも爽やかな秋空。晴れた海の清らかさだ。人間は欲心で泥まみれとなるのだ
9月10日 五色は人の目をして盲せしむ。老子 五色-白、黒、青、赤、黄-は人の目を楽しませる。然し心を奪われると本来の目の働きを失う。特に男女の色に溺れると盲同然となる。
9月11日 小利を顧みるは、即ち大利の残なり。韓非子 小さい利益にひかれるのは大きい利益の妨げとなる。物事は大局的に見る習慣を。
9月12日 天に事-つか-うることを知る者は、其の孔竅-こうきょう-虚し。韓非子 天に仕えるとは、耳目鼻口の欲望を節し虚しくする事。さすれば和気が涌く。老子は養生の道を天に仕えるに在るとしている。孔竅-あな- これは韓非子が老子を説明した言葉。
9月13日 匠人-しょうじん-、棺をな成せば、即ち人の夭死-ようし-を欲す。韓非子 棺おけを作る人は人の夭死を希望する。みんな自分の都合次第に物事を考える。
9月14日 耳目の欲を縦-ほしいまま-にす。 耳目の欲望を何でも満たすのは身の破滅のもとだ。
9月15日 何を求めてか足らざるを苦しんで、乃-すなわち-終日にして営々たる。宋古文宝 何を求めても不足は無い筈だ、それなのになにを毎日右往左往しているのか。欲と言っても小さいものだ
9月16日 禍福は門なし。唯だ人の招く所のままなり。左伝 欲望も同様、本人自身の招く通りの結果となる。
9月17日 苟-いやしく-も道義の楽しみあらば、形骸は外なるべし。宋名臣言行録 道義を守る習慣を身につければ、肉体上の事は除外可能、肉体欲望に心を用いるのはまだ道義が足りない。
9月18日 貧しくして楽しむ。論語 信じるものを持ち趣味に生きる、修養に努める。そこに精神的な快楽がある。人生、これも乙なもの。
9月19日 歓楽極まって哀情多し。古詩源 歓楽が極度に達すると、人は何か侘しさ、哀愁を感じるものだ。精神的楽しみは逆である。
9月20日 十界一心。数千年前インドで考えられた分類。人間の心の正体を見破った言葉。 地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上、声聞、縁覚、菩薩、仏。
9月21日 本来無一物。--禅の悟りの基本 自我を放下-ほうげ-し、自己を忘却する事が、真の自由人を成立させる。欲望、煩悩と密接に関連。
9月22日 放下着-ほうげちゃく。禅の極意 虎、人間、仕事、老衰、病気、死、に直面した時、そのものの前に身を投げ出す、自己をそこまで放下する。摩訶不思議力により、まさにあるべき道が自開する。これが禅の道、人がその真義に徹して生きる要訣-ようけつである。
9月23日 病は口より入り、禍いは口より出ず。 疾病は口腹の欲から起こり、禍難は失言妄語から起きる。
9月24日 満つれば即ち覆る。荀子 一杯になれば転覆するのは舟だけではない。満たせば、満ちれば、得意過ぎればである。
9月25日 自ら勝つ者は強し。老子 自分の欲望に勝つ者は最も強い。
9月26日 大福は再びせず。左伝 大きい幸は二度とこないものだ。叉来ると思っていると恥を招く。
9月27日 耳目に役-えき-せられざれば、百度これ貞-ただし。書経 耳目の欲望に惑わされなければ、凡ての約束事は正しく実行される。
9月28日 我が貨を益す者は、我が神-しん-を損ず。高士伝 財貨を増やす事ばかり心を使うと自分の大切な精神を消耗させる。
9月29日 君見ずや今人-こんじん-の交態の薄きを。黄金用い尽くせば還-ま-た疎策たり。唐詩選 人情の薄い今日、金のあるうちは、ちやほやしているが無くなれば元の疎遠に戻る。昔も今も変わらぬものだ。
9月30日 快心の事は、悉く敗身喪徳の媒-なかだち-なり。五分ならばすなわち悔い無し。菜根譚 余りに気持ちのいい快心事はすべて身を破り、徳性を失う媒体となる。快楽は尽くさず、半分くらいに止めておけば後悔はない。