潮流読者の反響-28-250

500年スパンの歴史いいですね 投稿者:石川行一  投稿日:11月 3日(月)10時13分28秒

本日の日本海新聞「潮流」拝読いたしました。500年スパンの世界歴史の俯瞰いいですね。すっきりします。「世界は西洋から始まり西洋が普遍的で日本は特殊と思っていないか」という問い掛けは、日本人全員に提示してみたいことです。恐らく9割方は、この問い掛けの意味を理解出来ないのではないでしょうか。

10数年前、マレーシア大学のイスラム教の教授に会ったことがありますが(名前等は失念しました)、この時驚いたのは、ヨボッとした教授が「最近のヨーロッパはなっとらん。今からヨーロッパに行って喝を入れて来る」という趣旨の発言をしたことです。

この頃、私の頭の中には「欧米→日本→→アジア、アフリカ」という序列がありました。その日本よりずっと遅れていると思っていた東南アジアの風采の上がらないと言っては失礼ですが、教授とは言いながらイスラム教などという遅れた文明(と当時は思っていました)の宗教学者風情が、堂々と西洋文明を眼下に見下ろして、説教してやろうという姿勢にカルチャーショックを受けたのです。

考えてみれば、イスラム教がヨーロッパの大分を侵略し支配していた時期もあったのです。少なくとも彼らにとって、キリスト教文明とイスラム教文明は対等のものであって、相手に非礼や悪いところがあれば、堂々と意見あるいは議論するだけの見識を持っているのです。

日本も明治維新を経て20世紀央において列強として世界に伍していたのです。世界に誇れる日本文化も持っています。しかし、アメリカの占領政策が効き過ぎて、人間として民族として最も大事な誇りや気概というものを失いつつあることに日本人自身が気付いていません。マスコミ、教育による洗脳はそこまで進んで来てしまっています(洗脳の片棒をかついでいることを当の本人が気付いていないという、ものすごく巧妙な洗脳なので始末が悪い)。

しかし、徳永様の指摘されるような歴史的事実は消えることはありません。醜くねじ曲げられ、時によっては捏造された罪悪歴史観が不思議にもまかり通っている日本の現状ですが、それらは徳永様がおっしゃるようにある意味では瑣末なことです。要は見方、捉え方なのです。こうした巨視的捉え方、観点を提示していただけることはとてもありがたいことです。

北朝鮮との交渉の場でも、外交官なり政治家なりが、こうした巨視的観点からの歴史観をぶつけるくらいのことをしてほしいものです。少なくとも、その気概を持てば、主権を侵され、同胞を拉致蹂躙されたことを看過しておくようなことは出来ないでしょう。

「日本の人類史的意義」は非常に価値のある提言です。月に1回、この潮流が読めるだけでも、日本海新聞をとる価値があると私は思っています。