日本海新聞寄稿 平成15年11月3日文化の日
日本の人類史的意義--巨視的世界歴史観を持て
世界は西洋から始まり西洋が普遍的で日本は特殊と思っていないか。ここらで日本人は頭を冷やして巨視的に、世界歴史を地球規模で見直してみる必要がある。
世界史をコロンブスのアメリカ大陸発見から今日迄の5百年を鳥瞰すると人類が歩んだ歴史が明白に見える。
歴史のスパンを5百年の長さで、地理的空間をグローバルに観察してみる。ここに人類の歴史の真実が手にとるように浮かぶ。このスパンで見た歴史的真実の延長線上に先の大東亜戦争を位置付けて見ると日本の存在の人類史的意義が明白に見える。
この巨視的な歴史観で見れば、近年の隣国の雑音など微細なもので人類の歴史の本質から程遠い。
この5百年間の世界侵略の主役、16世紀はスペインとポルトガル、17世紀はオランダ、18世紀は英国とフランスが主役でロシアが加わり19世紀になると彼らは一斉にアフリカ大陸で植民地争奪戦をやり線引きで切り取った。アフリカ原住民は白人の奴隷商人に狩り集められ家畜として売買され米国の労働力にさせられた。
19世紀中頃には世界の目ぼしい領土は殆ど白人の植民地になっていた。
幕末にはアジアも全て白人のもので、残っていたのは日本であった。これは歴史的事実であり人類の創造主に世界史があれば白人の汚点として銘記されるであろう。
米国のペリーが日本を開国で恫喝したのは1853年、前後してロシアが北海道、長崎に迫った。アヘンで中国に勝利した英国の次の侵略目標は日本であった。
このように幕末の日本は虎視眈々と、東は米国、北はロシア、西は英国とフランスが食指を延ばしていた。だから日ロ戦争勝利の意義は極めて高い。
不幸だが朝鮮半島の日本併合はこの人類的視野で記憶されるべきであろう。
白人の世界制覇を阻止したこの対ロ勝利の人類史的に意味する日本人の勇気と気概は子孫に伝え白人との交際で忘れてはならない。和魂に洋才こそが望まれるのである。
欧米人でも知性ある人物は存在していた。
平成3年「日本傷痍軍人会代表団」が元敵国、オランダを訪問した。アムステルダム市長主催親善パーティで市長は実に良心的で大東亜戦争の真実を述べた。
「貴方がた日本は、先の大戦で負けて、勝った私どもオランダ人は勝って大敗しました。今、日本は世界一、二を争う経済大国になりました。私たちオランダ人はその間屈辱の連続でした。即ち勝ったはずなのに、世界一の貧乏国になりました。戦前はアジアに本国の36倍もの大きな植民地インドネシアがあり、石油等の資源産物で本国は栄耀栄華を極めていました。今のオランダは日本の九州と同じ広さの本国だけとなりました。あなた方日本はアジア各地で侵略戦争を起こして申し訳ない、諸民族に大変迷惑をかけたと自分をさげすみ、ペコペコ謝罪していますが、これは間違いです。あなた方こそ、自らの血を流してアジア民族を解放し、救い出し、人類最高の良いことをしたのです。日本の人々は、過去の歴史の真実を目隠しされて、今次大戦の目先のことのみ取り上げ、或いは洗脳され、悪い事をしたと、自分で悪者になっているが、ここで歴史を振り返って見つめる必要があるでしよう。本当は白人が悪いのです。百年も三百年も前から競って武力でアジア民族を征服し、自分の領土として勢力下にしました。植民地や属領にされて永い間奴隷的に酷使されていたアジア民族を解放し、共に繁栄しようと理想を掲げて、大東亜戦争という旗印で立ち上ったのが貴国日本だったはずです。本当に悪いのは侵略して権力を振るっていた西欧人です。日本は敗戦しましたが、アジアの解放は実現しました。即ち日本軍は戦勝国の全てをアジアから追放して終わりました。その結果アジア諸民族は各々独立を達成しました。日本の功績は偉大です。血を流して闘ったあなた方こそ最高の功労者です。自分をさげすむのを止めて、堂々と胸を張って、その誇りを取り戻すべきです。」
忘れているのは愚かな日本人だけだ。
鳥取木鶏クラブ代表世話人 徳永圀典