アメリカン・マジックに翻弄される日本

私は、この11年間、憤りを以って地元紙の日本海新聞に寄稿したり、著作「平成の大乱」と「私の憂国放論」に記載している事がある。それは、経済問題、特に金融問題だが、近年のマネー問題がどうしても解せないとしている。

そして、こう結論づけている。経済学以外の論理が働いていると私は発言してきた。私は、日本には優秀なる官僚もいる、総理でも分かっているのだと信じたいのだが、この11年間のマネーの問題はアメリカのマジシャンだと結論づけなくては理解できないのではないか。

アメリカの戦略が見えないのか、そんな筈はないと信じたいのだが。要するに日本は世界の屋台骨を揺るがす程の経済的成功を成し遂げたために、世界の支配層から逆襲を受けているのだ。金があるから世界から狙われて、ありとあらゆる、言いがかりをつけてむしり取られているのだと、「平成の大乱」で指摘したのは7年前だが、愈々その感を深くしている。

酷い言いがかりはアメリカであり、中国であろう。私は金がなくなれば言われないとまで言っている。

1.日本政府、官僚、そしてあの大マスメディアもアメリカのマジシャンに踊らされていると思う。小泉総理の経済に関する歯切れが悪いのは、知っているか、まともにアメリカに対抗できぬと知ってか知らずか。

2.アメリカの貿易赤字の例年の巨大さはドル安の筈だが、常に不当に近く円高である。これは日本国民から富を収奪する構図だ。

3.アメリカの財政赤字は巨大で世界一の債務国だ。ドル安になっていない。対円のみの円高操作がある。外国からのマネー還流なくして成り立たない。EUが出来て更に日本がアメリカの財布となっている。米国は恫喝し日本などアメリカの意のままにしてきている。それは私が数年前指摘した通りの助べえ大統領のクリントンであり担当者のサマーズ長官だ。勿論、それに負けた日本の政治家、官僚が悪い。だから私は彼等に命懸けが無いと指摘した。国益を守るべき彼等にそれを要求して当然であろう。日本の大マスメディアの不勉強もある。国民に真実を報道していないのは、彼等の無能力か無知か。

4.日本の外貨準備は5000億ドルで、世界最高。これは円高要因だ。だからドンドン米ドルを購入して米国に還流する図式である。橋本元総理が米国国債--トレジャリーボンド--を売却したいと発言し米国株価が下がった。その為に橋本氏はアメリカに失脚させられたと言う人もいる。田中角栄氏が日本自前の石油資源を持とうとして、コーチン証言で失脚した図式を思い浮かべるではないか。

5.アメリカの格付け会社は何故か世界一貿易赤字のアメリカ自身の格付けは不問だ。こんな馬鹿なことはない。日本叩きに成功し日本を瀕死の重傷にしたから最近の格付会社がおとなしい。銀行の資本比率8パーセントなどその最たる陰謀で15年前からの策謀であり過去に指摘済みだ。日本政府は知ってて知らぬ顔で日本の銀行を山一證券を人身御供にしている。

6.日本の財政赤字は酷く国債残高は600兆円だが、それなのに円安にならならない。故に不当にアメリカに為替面で収奪されている。バランスをとらされており、これはアメリカ金融資本の策謀である。外国為替などは政治・恫喝為替であろう。経済学で論じるのは大馬鹿だ。為政者が、政治・外交の現場で恫喝され腰が引けて国益を損じてきている。

7.日本はアメリカの国債を400兆円保有している。それなのに何故更に金融緩和をしなくてはならぬのか。アメリカの国債を処分すれカネには困らぬ。

8.政府も、官僚も大マスメディアも、このアメリカ国債処分問題を見て見ぬ振りをしている。問題化を避けている。国民も知らぬ顔のようだ。ここが大問題ではないか。せめて、ファイナンスして利用しようという動きすらないのは摩訶不思議である。

平成15418日