外務省官僚のこの傲慢 平成15年5月27日
           下段にザクザクと毎日新聞の面白い記事あり。

川口順子外相田中均更迭と罷免を要求する

各新聞の社説等に一斉に書き立てているが、今回の小泉総理とブッシュ米国大統領の首脳会談の北朝鮮に対する発言の翻訳に際して、両首脳合意の言葉、圧力なる言葉を削除ないし変更を企てた問題である。

これには福田官房長官も関与して田中と同調したらしいが、その通りだとすると、言語道断の忌々しき越権行為である。安倍官房副長官が気がついたとされている。北朝鮮に対して、強すぎる表現とか云々の問題ではない、両国の首脳の発言を、姑息にも変更しようとしたこの行為は
更迭・罷免に相当する、断じて許し難い行為である。前代未聞というべきか、外務官僚の常套手段と言うべきか、姑息にして陰険な中枢官僚の自己保身とエゴイズムがこの民主義国家に蔓延こっていると驚くべき不祥事である。

川口外相は、やはり、優秀だか単なるソツの無い官僚に過ぎないことが明白となった。熾烈な国際外交の責任者として、弱すぎる、胆識を発揮しておらない、更迭が急務である。

先ず、川口氏の即時更迭と田中の即時罷免を要求する。こんな外務省や外務官僚では、国益に貢献しないし、軟弱すぎる。
戦前から外務官僚のいい加減さがあったが、ここまで腐りきっていたとは国民は許してはならない。声を大にして更迭を要求する。
特に田中は、北朝鮮と小泉総理の共同発表の時に、拉致被害者に関する正確な情報を小泉総理に事前に伝えなかったという極めて軟弱な官僚である。こんな奴が外交の専門家とは驚いた腰抜け野郎だ。田中を支持する福田も、軟弱野郎だ。こんな連中には国益背任罪の追及をしなくてはならない。なんという政府首脳とか官僚であろうか、国民も黙っておってはいけない。平成15年5月27日

夕刊ザクザク5月29日記事あり。

拉致家族会、“親北”田中審議官更迭要求
弱腰外交に激怒、「敵対行為だ!」
田中均外務審議官
田中均外務審議官

 テロ国家・北朝鮮に対する外務省の弱腰ぶりに、拉致被害者の家族会と支援団体「救う会全国協議会」の怒りが爆発した。先の日米首脳会談で、北に対して「対話と圧力が必要」と一致したが、外務省が「圧力」を削除するよう働きかけていたことが明らかになり、家族会は29日未明、その“張本人”田中均外務審議官(56)と平松賢司北東アジア課長(46)の更迭を求める声明を叩きつけたのだ。 「田中審議官と平松課長の行動は拉致被害者と家族に対する敵対行為と言わざるを得ない」 ついに家族会の堪忍袋の緒が切れ、田中審議官と平松課長の更迭を要求した。
 「北朝鮮はマイナス志向の国です。刺激してはいけません。対話の継続が大事です」。日米首脳会談に向かう小泉首相に田中審議官はこう説き続けた。
田中審議官の「おもねり外交」に、拉致被害者の家族会(会長・横田滋さん)も堪忍袋の緒が切れた
田中審議官の「おもねり外交」に、拉致被害者の家族会(会長・横田滋さん)も堪忍袋の緒が切れた

 だが、小泉首相はブッシュ米大統領との会談で「圧力」に言及。それでもなお、田中審議官は会談後の会見で「圧力」の言葉を外すよう働きかけ、実現した。 28日の衆院予算委員会でも、上田清司議員(民主)が、この問題を取り上げ、政府側を追及。これに、小泉首相は「内容を全部公表することはない」と、田中審議官をかばった。
 こうした政府の弱腰姿勢に、家族会の我慢も臨界点に達し、29日未明の声明では田中審議官が北の要人と内通していると非難。さらに、平松課長に対しても、3月の国連人権委員会作業部会で「おざなりな回答を独断で提出した」と指弾した。
 この回答書は、英文でわずか10行だけ。作業部会では、北が自らの正当性を5ページにもわたって主張し、英国も有本恵子さん=失跡当時(23)=の事件についての捜査内容を3ページにわたって報告していたのだから、家族会の怒りも当然だろう。
 川口外相が後に謝罪し、追加回答書も提出されたが、これまでにも外務省の「弱腰」を再三、見せ付けられてきた家族会メンバーで、恵子さんの母、有本嘉代子さんは「以前から家族会で田中審議官と平松課長の対応はおかしいと問題になっていた。もう我慢できないというところです」と怒りを露にした。
ZAKZAK 2003/05/29

5月31日毎日新聞--政府内葛藤をよく報道している。面白い
5月31日 3:06北朝鮮政策:政府内に「対話」「圧力」で深い対立

小泉純一郎首相が日米首脳会談で表明した朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する「対話と圧力」政策をめぐり、政府内で混乱が続いている。対話重視から、北朝鮮の出方次第では「強硬な措置」も取ることへ比重を移す新方針。「圧力」という言葉を使うかどうかをめぐり、首相官邸・外務省内で激しい対立があった。騒動の舞台裏を検証した。【及川正也、高安厚至、白戸圭一】

 ◇外務省内の足並み乱れ下地に
28日の衆院予算委集中審議。「対話と圧力」に関する小泉首相の答弁は歯切れが悪かった。
「日本だけでは効果も限られている。米国、韓国、中国、ロシアからの圧力というか、働きかけ、国際社会からの圧力というか、働きかけが必要だと思います」

聞いていた外務省の幹部は「政府内の対立が尾を引いているな」と感じた。

大型連休谷間の5月1日、外務省の茂木敏充副外相室。幹部が集まり、米朝中の3カ国協議で北朝鮮から飛び出した「核保有」発言などが検討に付されたが、議論は思わぬ方向に向かった。

茂木副外相「アジア大洋州局はもっと情報を共有したらどうか」

海老原紳北米局長「私は半年前から、ずっと言ってきた」

小島高明国際情報局長「情報は上げているが、アジア大洋州局からは何も言ってこない」


北朝鮮問題を担当するアジア大洋州局の「秘密主義」を糾弾するかのような険悪な雰囲気だった。昨年9月17日の日朝首脳会談を極秘裏に準備した田中均氏(当時、アジア大洋州局長。現外務審議官)への不満がくすぶる省内の空気が「一気に爆発した」(同省幹部)といえる。


連休明けの5月7日、竹内行夫外務事務次官が関係局長、課長を自室に招集。林景一条約局長が「北朝鮮が使用済み核燃料棒の再処理を終えたのは問題だ。何か言うべきだ」と「圧力」論の口火を切ったが、この場では「北朝鮮が言っているだけ。確認できない以上、慎重にすべきだ」という意見が勝った。


流れが変わったのは、翌8日、川口順子外相、茂木副外相、矢野哲朗副外相に政務官も加わった首脳会議だった。茂木副外相が「対話だけではだめだ。圧力も必要だ」と主張し、慎重姿勢の川口外相を押し切った。

金正日総書記につながるとされる独自の外交ルートをもつ田中氏は、交渉当事者として「北朝鮮を下手に刺激すれば暴発しかねない」という思いが強い。日本の対北朝鮮外交は過去半年、田中氏に象徴される対話路線に軸足を置いてきたが、膠着状態が続く中、強硬派が次第に勢いづき、対話重視派の声はかき消されたかにみえた。

◇米国務次官補発言で再燃

日米首脳会談の1週間前の16日、海老原北米局長と藪中三十二アジア大洋州局長が首脳会談の最終調整のため渡米した。ホワイトハウス高官との会談が目的だったが、米国務省で顔見知りのケリー国務次官補から「抗議」を受けた。

「ミスター田中が来たが、いまさら何を言っているのか。そんなことを言っている場合じゃないだろ」

海老原氏らは面をくらった。田中氏は海老原氏らがケリー次官補と会談する前日の15日、アーミテージ国務副長官とケリー氏に「北朝鮮を刺激しない方がいい」と持論をぶつけていたからだ。田中氏の極秘の訪米は「首脳会談の事前調整」だった。
これがしこりとなった。22日、米国に向かう政府専用機内での食事をとりながらの打ち合わせでの激論につながった。

機中では首相、安倍晋三官房副長官、田中、海老原両氏が向かいあった。海老原氏は「ケリーに言われたんだが」と訪米時の経緯を説明すると、安倍氏は「それはおかしい」と同調した。しかし、田中氏は「『圧力』は使うべきではない」と執ように食い下がった。

直前の会議で「圧力」をめぐる溝は埋まらなかったが、日米首脳会談で首相は「圧力」に言及した。ところが、これを公表するかどうかで再び議論になった。「公表せず」の立場の田中氏の意向を反映し、記者説明用の応答要領にはこの表現はなかった。
これに
激怒した安倍氏は「自分の責任で公表する」と判断。首相にも事後報告すると、首相は「それでいいよ」と応じた。「対話と圧力」は、首相の最終判断で日本政府の方針として認知された。

◇首相は「ダブルスタンダード」
対話重視派と圧力派のの確執は初めてではない。昨年10月、日本人拉致被害者5人が帰国した際にも、5人を北朝鮮に戻すか、日本に留めるかで田中氏と安倍氏がバトルを展開した。

福田康夫官房長官は田中氏の手腕を認めて擁護した。強硬な安倍氏に川口外相は距離を置いた。しかし、結局、首相の判断は「戻さない」に傾き、決着した。外務省内には「これが今回の『圧力』問題の伏線となっている」(幹部)との見方が一般的だ。

ただ、「対話と圧力」の方針は定まったものの、その内容については政府も具体的な政策は示していない。対話、圧力両派とも、日米韓が連携し、外交的努力により多国間協議を通じて平和的解決を図る、という基本方針では一致している。

海老原氏ら外務省幹部は数度の訪米のたびに「先制攻撃はだめ」と日本政府の立場を伝えた。だが、米側は「北朝鮮は核放棄する考えはない」と繰り返した。

「日本が融和派の韓国に寄れば米国が孤立し、北朝鮮の思うツボ」というのが圧力派の論理だ。かといって、圧力派も経済制裁は時期尚早であり、麻薬密輸など使える圧力は限られているとみている。一方、福田長官や川口外相ら対話派は現行法による規制強化は当然であり、平和的解決の従来方針に変更はないとの立場だ。

首相は「圧力」の必要性を説きながら、基本方針は変わらないという両派に足場を置く「ダブルスタンダード」の姿勢をにじませる。
[毎日新聞5月31日] ( 2003-05-31-03: