世界に「地殻変動」--ブッシュ効果

アメリカの9.11テロが、どれだけアメリカに対する脅威であったか、肌感覚で理解しない人がいかに多いことか。それが分からぬとテロに対するアメリカの決断と実行は更に理解されないであろう。アメリカのブッシュの決断は、ジワリ、ジワリと世界に地殻変動を起こしつある。動物の世界には強いボスが必要だ。

先ず、中東地域は、離れて分からぬが現地では、真剣な自国の安全保障を求めた動きが高まっている。

1.中東で最も反米的なイランが親米的なエジプトと全面複交した。
2.シリアの大統領が緊張関係のあった隣国トルコを訪問し大統領同士が会談した。
3.宿敵同士のインドとパキスタンが対話再開で合意した。
4.アフガニスタンで、激しい部族対話を乗り越え新憲法採択可能となった。
5.イランが事実上、核兵器開発断念の道を選択した。
6.リビアも核開発計画を自ら全面廃棄を米英と合意した。

そして、北朝鮮でも、本日1月9日、変化の兆しが現れた、核凍結の表明である。
7.北朝鮮が核の凍結、拉致開放と日朝ピョンヤン宣言に基づく解決を表明した。

これらは、フセイン大統領が昨年12月13日逮捕された時期と軌を一にしているように私には映る。現地の諸国では、アメリカのあの攻撃力を目の当たりに見て本能的にまとまろうとしているようだ。アメリカと不仲に見える、王族国家サウジアラビアの心境や如何である。アメリカはあの地域に民主主義を送り込もうとしている。すんなりとはゆかぬであろうが、イスラム諸国が大同団結して力を結集して対抗するのか、対米和解に進むのか、予断は許さないが。
1.テロ撲滅のアメリカの意思は強い。世界的なものである。今後も続いて行く。
2.アラビア諸国が団結しイスラエル包囲する雰囲気も見える。

また、アメリカの防衛長官のラムズフェルドの発言にある、古いヨーロッパ。ドイツとフランスが今後どう動くか。ドイツは東西ドイツ合体後の経済疲弊が顕著である。イラクの利権で反米的となった事で経済面で後退があるのか。考え過ぎかも知れぬが私は、アメリカはヨーロッパ統合--
EC弱体化--が魂胆にあるのかなとも思う。
このように考えると、今、単なる、自衛隊派遣反対などと、言って騒いでいる
民主党など、幼稚園児のように見える。日本の21世紀の国益がかかっているのだ。憲法違反とか、危険地帯だとか、幼児の言い草であろう。力の無い日本は、強国で民主主義国の米英の手と組まなくては生き残れまい。米英を敵にして国益を損じたのはほんの60年前の歴史の教訓があるではないか。現今世界ではアメリカと強固な同盟が国益に叶う。中国など信用できない共産主義国である。アメリカのほうがいいに決まっているではないか。管直人は党首として米国政権首脳から面談拒否された男だ。こんな連中が政権担当したら日本の国益は大きく損じられる。日本人は眼を巨視的に、島国感覚ではいけないのだ、これを銘記しなくてはならない。
平成16年1月9日 徳永圀典