危機の米ドル

1..昨年、日本政府は20兆円、今年に入り1月だけで7兆円、の為替介入でドル買いをした。空前絶後の巨大円売りである。そして米ドル外貨準備高は7000千億ドルと世界最高となる。日本国の予算総額に匹敵する米ドルを保有している。
2.裏返えしていえば、米国は巨大な財政赤字と貿易赤字で、マネーの不足を日本からのドル還流でファイナンスしている。この金が回りまわって日本の株式市場に流れ込み日経平均を上げているといえる。外人の買い越は高々1兆円程度らしいが。
3.最早や、アメリカは日本無くしては破綻している。勿論中国とかからもドルの流入もあるが日本がアメリカを支えている図式は明快だ。
4.中国は簡単に中国元を切り上げないと思われる。日本円は、この趨勢で行くと100円割れして少しもおかしくない。
5.こんなアメリカの、国債の格付けが全く問題にならないのが摩訶不思議、アメリカさんに日本企業は格付けされて大マスメディアも、ははーと靡くようにご託宣を受けて報道している。馬鹿馬鹿しいと思わぬのであろうか。
6.これは明白なドル危機であろう。日本がこれだけドルを支えても支え切れぬとなると、ドルが急落して、怖い長期金利が上がる。金利が1パーセントでも上昇したら、お手上げであろう。
7.それが見えてきたら、株式市場で調整が起きるのは必然だ。一気に調整局面になりパニックとなる。
8.ドルが暴落すると保有外貨7000億ドルは・・・・。巨大損失が待っている。もう日米は運命共同体のようである。逃げられない。合体しなくてはやれないのではないか。敗戦国は、この米ドルの大暴落で巨額の国家的損失を受けなくては真に、真に無罪放免として米国から自由になれないのではあるまいか。もう一度どん底があるのか、起死回生するのか。
9.時は、まさに四面楚歌のイラク問題を持つアメリカ、世界一の大軍事力国家、どのようにしてこの難局を切り開いて行くのか、我々の生命線はそのアメリカに握られている。
10.しかも、為替介入資金枠が、従来79兆円であったが、2004年度からは、140兆円に修正された。青天井でドル購入資金源はできている。日本の国家予算は80兆円、その二倍の為替介入資金を作ったのは、異常事態である。日米は、否、世界経済は何処へ向かわんとしているのか。震度10クラスの激震が待ち伏せているのであろうか。
11.米国の場合、民間は貯蓄以上に消費し、クリントンの時に黒字に転換した財政は、景気後退に加え、ブッシュ大統領の大型減税政策で2002年度決算から赤字になった。さらに、03年度はイラク戦費も加わって、これまでで最大の3750億ドル(約41兆2500億円)の赤字になった。議会予算局の見通しでは、今後の財政赤字の累積額は09年度までの5年間で1兆4000億ドル、14年度までの10年間で1兆9000億ドルに達すると予想されている。

平成16年3月20日