平成16年7月--今日の格言・箴言26
春秋左氏伝―左伝
中国、春秋時代の歴史書として最も基本的な資料であり「五経」の一つである。文句が簡単を特徴とする。心に留めたものを拾った。平成16年7月1日 徳永圀典
1日 | 子を愛するものは、之れに教うるに義方を以ってす。 | 真に子供を愛するなら、単なる愛情に溺れてはならぬ。正しい人間の道を教えなくてはならぬ。 | 義方とは道義に従う道。 |
2日 | 大義、親―しんーを滅す。 |
人間の大いなる道の為には、骨肉や親戚でもこれを滅ぼさなくてはならぬことがある。 |
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3日 | 不虞―ふぐーに備えざれば、以て師―いくさーすべからず。 |
万一の場合の準備がなければ戦争はしてはならぬ。 |
師は軍隊。 |
4日 | 民は神の主なり。 |
民こそ神の主人となるべきものである。 |
いつの時代も民の幸福あってこそ国は安定。 |
5日 | 信、継がずんば、盟いも益なきなり。 | 同盟をしてもそれに信義が続かなくては何の役にも立たない。 | |
6日 | 謀―はかりごとー婦人に及べり。 |
秘密のことを婦人に漏らすようでは必ず失敗する。 |
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7日 | 妖は人に由って興る。 |
妖しい災いは自分の心の持ちようから起きる。 |
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8日 | 侈―しーは悪の大なるものなり。 | 贅沢になる事は悪の最大なものである。対する倹徳、即ち、身を慎ましくする事は人間の徳の最も恭しいものである。 | |
9日 | 本、必ず先ず顛―たおーれて、而して後、枝葉之れに従う。 |
樹木の根が倒れると枝葉が続いて倒れる。同様に国も根本の道義を失えば必ず国全体が亡びはじめる。 |
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10日 | 己を修めて人を責めざれば、即ち難より免れる。 | 自分を十分に修めて他人の過失は咎めない。そうすれば危難から免れる。 | 時代を降るごとに、正反対、現代は野党・マスメディアはこの反対の最たる存在。だから世の中がおかしくなる。 |
11日 | 徳を懐―おもーえば惟れ寧し。 |
為政者が道徳を考えると国は安泰となる。 |
為政者とは大きく捉えて、すべての政治家、公務員、彼らが現代諸悪の根源か? |
12日 | 忌めば則ち怨み多し。 | 他人を忌み嫌えば必ず自分が嫌ったその人から逆に恨まれる。 | |
13日 | 君命に二なきは、古の制なり。 |
トップの命令に二言はない、ということは昔からの定めである。 |
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14日 | 尤―とがーめて之に效―ならーうは、罪又甚だし。 |
人の罪を咎めていながら同じ罪を自ら犯すことは罪悪の大なるものである。 |
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15日 | 兄弟、牆―まがきーに鬩―せめーげども、外其の侮りを禦―ふせーぐ。 |
内輪の喧嘩をしていても、外敵に対しては喧嘩はやめて一つになるべきである。 |
日本の野党に完全欠如している原理。 |
16日 | 有徳には敵すべからず。 | 徳を守っている人に対しては敵対行動は成し得るものではない。 |
仁者に敵なし。論語 |
17日 | 卑譲は徳の基―もといーなり。 | 謙譲で他人に譲ることは道と徳の基本である。 | |
18日 | 爾―なんじーの祖を念うこと母−なかーらんや。その徳を聿修―いつしゅうーす。 | 祖先の事を考えないでよかろうか。いや、考えなくてはならぬ。その為には祖先の行った徳を,述べ修めなくてはならぬ。 | 国の祖先も同じである。 |
19日 | 戈―ほこーを止めるを武と為す。 |
武の字は「戈」と「止」の合した字。もともと干戈、即ち戦争を止めさせるということが「武」の原義である。 |
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20日 | 武に七徳あり。 | 1.暴を禁ず。2.兵をおさむ。3.大を保つ。4.功を定む。5.民を安んず。6.衆を和らぐ。7.財を豊かにす。 | 武力なき平和はありえない。 |
21日 |
懼−おそーるるを知ること是の如くば、斯れ亡びざらん。 |
すべて懼れ慎むということを知っておれば、その人は決して亡びることはない。 |
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22日 |
多く無礼を行えば必ず自ら及ぶ。 |
多くの無礼を重ねていると必ずその報いが自分の所に跳ね返ってくるものだ。 |
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23日 | 貪−むさぼーらざるを以て宝と為す。 | 廉潔こそ宝である。 | |
24日 | 禍福は門なし。唯だ人の召く所のままなり。 |
禍の門とか、福の門というものはない。禍も福もすべて本人自身の招いているものだ。 |
自分の心からすべて発する。 |
25日 | 礼は国の幹なり。 |
礼というものは国になくてはならぬ大切な背骨である。 |
民主党の一幹事長が国会で一国の総理に「無礼」と発言する軽薄さと素養の無さは絶望的。 |
26日 | 民の欲する所は、天必ず之れに従う。 | 天は必ず人民の望みに従うものである。 | |
27日 | 不義にして彊―つよーくば、その斃−たおーれんこと必ず速かなり。 | 強い力を持つ上に道義に叛く人は必ず早く倒れてしまう。 | |
28日 | 公事には公利ありて、私忌なし。 | 公的職務に従事する者は、ただ公の利益のみを考えるへべきである。 | 現代諸悪の根源の第一。 |
29日 | 国の将に亡びんとするや、必ず制多し。 | 亡びかけた国には常に法令が多いものだ。 | 制とは法令、制度。繁文は亡国の兆ともいう。 |
30日 | 幣重くして言甘きは、我れを誘うなり。 |
手土産や贈り物が鄭重過ぎる上に、非常にうまい話を持ちかけられる時は自分を誘惑しているのだと考えなくてはならぬ。 |
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31日 | 人には各々能あり不能あり。 | 人それぞれ得手、不得手があるものだ。 | 人間は一人一人みな違う。 |