電力会社という独占企業のぬるま湯体質

今回の関西電力、美浜原子力発電所の事故は、一昨年の東京電力の事故と同様に、電力会社の公務員的、ぬるま湯体質に起因すると断言できる。

新聞等によると、

1.下請け企業が既に指摘していたとの事である。

私が聞いた処では、

2.関西電力自体は子会社の下請けから指摘されていた。

3.そして、事故発生の5日後から原子力発電を停止して点検予定であったと聞く。
多分当事者は、臍を噛んでいるであろうか。ここに、原子力発電の当事者という緊張感ある自覚を欠いているのだ。東京電力の教訓が生かされていない。

4.原子力発電停止点検は半月必要とし経費は10億円必要とするという。

5.結果から見れば、10億円は安いものだ。

6.今回の事故の社長の顔付を見れば、あの顔は「事故を惹起した、あの雪印乳業の社長の顔付」と全く同然である。

7.独占企業で、莫大な利益でぬくぬくと育った顔である。私は株主でもあるが、このような独占企業の社長が、関西の経済界を代表する関経連の代表を務めるなど、ナンセンスなのである。公務員と同様な市場経済なんぞ、肌で理解できない体質なのである。このような、ぬるま湯的企業のトップに大きな顔をさせている関西経済界はお粗末である。

8.東京電力の著名な経営者の元社長、木川田氏は人格者で知性と教養の存在であった。このような独占的、ぬるま湯的企業からこのような人物が生まれるのは当然だが、所詮机上の空論であり、実践的存在ではなかった。厳しさの欠ける人間を輩出させているだけである。
平成16年8月16日 徳永圀典