米国・中国の対立は必然!


@昨年末、中国の外務次官がアメリカのラムズフェルド国防相と会談した。その時、中国の外務次官が「日本は自立しようとしている・・・、危険であるとの意を示した」と新聞報道があった。それに対して、ラムズフェルド国防相は「全く懸念ない、日本は米国の同盟国だ」と、明確に切り返否定した。そして、中国外務次官に対して、「中国の原子力潜水艦の日本領海侵犯を槍玉にあげた。中国の外務次官は「あれは間違いであった」と、何度も言っていたという。

A中国は、東南アジア諸国連合と日・中・韓を中心とした「東アジア共同体」構想を進め、経済だけでなく、政治、安全保障面で日本を取り込み、アメリカ・台湾・オーストラリア・ニュージーランドを排除しようと露骨に動いているい。シンガポールやインドネシアでも中国への警戒が生れている。ーー小泉総理の靖国参拝・領海侵犯・尖閣油田開発等の非礼な態度はこの中国の戦略に沿っている日本抱き込みの恫喝である。

B要するに、中国が、地域に於ける指導的地位を固めようとしているのだ。中国が覇権の盟主たるべくアメリカ抜きを模索していると断定してよい。地域の諸会議を利用して着々と歩を進めている。

C中国は地域のみか、世界的な覇権国を目指しつつあると見て間違いない。共産主義の一党独裁の大国が、このような指向をするとは、ソ連と同様な国にならうとしていると判断してよい。これは危険極まりない。

D周辺国家を東夷、西戎、南蛮、北狄とみなす中華思想がこの構想に反映されていると見てよいのではあるまいか。日本への非礼な恫喝的態度は、「日本を屈服させ隷属させるまで続けよう」としていると見なくてはなるまい。
日中貿易額が最高となった。すべて中国に依存して、日本はにっちもさっちも行かなくなってから、中国元の切り上げとか、日本の製造業の空洞化が完成して中国シフトが終了してから、一挙に日本締め上げをやられたらどうなるか。中国は、背に腹を替えられなくなったら、日本企業を抑えるとか、何をしでかすか分からない。過大に投資、銀行融資は危険性を孕んでいる。

E原子力潜水艦は、台湾と関係がある。中国は太平洋の覇権すら窺っている。台湾が共産国・中国の手に落ちると日本の死活的問題となる。これはアメリカとの対決となることは必然である。

F北京オリンピック、それから万博を迎えるまでにバブルが弾けるのか、台湾がそれまでに独立の動きをすればどうなるか、北朝鮮もどのように展開して行くのか。日本を取り巻く環境は、とてつもなく険悪である。

Gこのように考えると、日本は「日米同盟」こそ命綱である。民主党の前原誠司議員さえ、「米国との同盟関係は日本にとり死活的に重要だと思う」と言っている。上述の東南アジア共同体構想で日本が戦略的な価値を高められるのは、やはりアメリカとの同盟関係があるからである。

Hそのアメリカが国防軍の世界的再編成をしようとしている。日本は、同盟国として、信頼関係を深め、高めて安全保障面で遺漏なきを期して欲しいものである。平成17年2月1日 徳永圀典