マネーゲームは日本人の感性に合わぬが

@ライブドアーが、借金して、ニッポン放送の株式の5割を買い占めた。そして更にフジサンケイをレバレッジド。バイアウトで過半数を得ようとしている。相手の資産を担保に資金を供給して買占めを成功させるなどの金融は、人間を豊かにさせる「経世斉民」の思想と程遠い。これは狩猟民族の「略奪・侵略」の白人5百年歴史の手法と同様である。こうして、愈々日本の経済を素裸にして、真の「経済開国」を迫るのだ。赤子が手をにじられるような感じの日本である。そういう意味で、ライブドアーは最高の手本を以って外資の怖さを企業人に自覚させた。
だが、その対抗策とか能力が備わっているのか、泥棒を見て縄をなうような感じがする。

A米国が国策として、日本のマネーに目をつけていると思う。あの英国の主要企業はみなこの手法で外国に乗っ取られてしまったのを思いだした。2008年からは株式によるM&Aが可能になると、日本の企業は全部取られて、従業員などは冷遇され資本の犠牲となるのは必定である。貧富の差が益々激しくなり、虚の経済であるマネー戦争となり実業が空虚になって行く。あのライブドアーの元役員の30台の男が20億円支払いロシアの人口衛星に乗り宇宙飛行するという豪勢さ。それだけ巨億の富をネットで稼いでいるのには驚嘆する。貧富の差どこではない。

B欧米は、日本の市中銀行を完全に落城させた。次には、本丸の郵便貯金であろう。郵貯の250兆円、簡保の100兆円は米国にとり財政赤字をファイナンスさせる財源として魅力があるのだ。郵貯は現段階では公的マネーだから、外資は手が出せない。郵貯を民営化すれば、傘下に収めるなど赤子の手を捻るようなものではないか。郵貯の現在の規模のままでは、外資でも買収は難しすぎる。郵貯が分社化とか民営化すれば、外資にとってはお手頃のターゲットとなる。簡保などは即刻買いたいものであろう。それらが可能な方向に、日本企業が買収され易いような環境を竹中平蔵以降、着実に進んでいる。そうして、日本のマネーが米国に利用され、挙句の果てには作為的失敗として倒産させれば元も子も無くすのは日本だという結末がありえる。こうして日本の貧困化が始るのか、弱体化して行くのか。黄金株とかを検討しているが外資は法の網を潜るなど朝飯前であろう。狩猟民族の巧い「囮」とか「罠」は市場経済と同根である。

C冷戦後、日本に欧米と同様なルールの適用を押し付けた、銀行にはバーゼル合意、企業には国際会計基準という「楔」であった。その効果が現れ日本の経済モデルが破綻中したのである。
私の一番怖れるのは、世界に冠たる知的財産や技術力を持つ日本の中小企業が外資に蹂躙されることである。これは「日本経済の完全占領」を意味するからだ。

D今からでも遅くない、各企業はもとより、企業人もその対策の万全を期して欲しいと強く期待する。ここで完敗すると復元に数十年を要し、国家の立ち直りは至難となる。
平成17年4月1日