1日 |
巨勢−こせーの椿 |
河上の つらつら椿 つらつらに |
春日蔵首老 巻1-56 |
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2日 |
椿 |
巨勢山の つらつら椿 つらつらに 見つつ思−しのーはな 巨勢の春野を |
坂門人足 巻1-54 |
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3日 |
馬酔木 |
磯の上に 生−おーふる馬酔木を 手折らめど 見すべき君が ありといはなくに |
大伯皇女 巻2-166 |
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4日 |
楊 |
はるやなぎ かづらきやまに たつくもの たちてもいても いもをしおもふ |
柿本人麻呂 巻11-2453 妻を思う歌。 |
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5日 |
梅 |
梅柳 過ぐらく惜しみ 佐保の内に 遊びしことを 宮もとどろに |
作者不明 巻6-949 |
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6日 |
青柳 |
うちのぼる 佐保の川原の 青柳は 今は春べと なりにけるかも |
大伴坂上郎女 巻8-1433 |
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7日 |
藤の花 |
藤波の 花は盛りに なりにけり 平城―ならーの京―みやこーを 思ほすや君 |
大伴四綱 巻3-330 |
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8日 |
桜 |
わが行は 七日は過ぎし 竜田彦 ゆめこの花を 風にな散らし |
高橋虫麻呂 巻9-1748 |
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9日 |
ヨメナ |
春日野に 煙−けぶりー立つ見ゆ をとめらし 春野のうはぎ 採みて煮らしも |
巻10-1879 |
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10日 |
百合 |
道の辺―へーの 草深百合の 花咲−はなえーみに 咲−えーまししからに 妻といふべしや |
巻7-1257 細道のやぶの中に草深百合を見出す喜びは格別だ。 |
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11日 |
白木綿花 |
山高み 白木綿花に 落ちたぎつ 滝の河内―かふちーは 見れど飽かぬも |
巻6-909 水の奔流は心が浮き立つ春である。 |
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12日 | 石−いはーつつじ |
水伝ふ 磯の浦みの 石つつじ 茂−もーく咲く道を また見なむかも |
巻2-185 |
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13日 |
玉藻 |
明日香川 瀬々の玉藻の うち靡き 情―こころーは妹に 寄りにけるかも |
巻13-3267 |
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14日 | 鶯 |
百済野の 萩の古枝−ふるえーに 春待つと 居りし鶯 鳴きにけむかも |
山部赤人 巻8-1431 鶯はやはり古枝が似合う。 |
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15日 |
鶯の 春になるらし 春日山 霞たなぴく 夜目に見れども |
巻10-1845 |
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16日 | 雲雀 |
うらうらに 照れる春日に 雲雀あがり 情―こころー悲しも 独りしおもへば |
大伴家持 巻19-4292 |
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17日 |
鴨 |
吉野なる 夏実の川の 川淀に鴨ぞ鳴くなる 山影にして |
湯原王 巻3-375 |
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18日 |
呼子鳥 |
大和には 鳴きてか来らむ 呼子鳥 象―きさーの中山 呼びそ越ゆなる |
高市黒人 巻1-70 |
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19日 |
駘蕩の気の大宮人 |
春の野に 心伸べむと 思ふどち 来し今日の日は 暮れずもあにぬか |
巻10-1882 |
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20日 | 駘蕩の気の大宮人 |
春日野の 浅茅が上に 思ふどち あそぶこの日は 忘らえめやも |
巻10-1880 |
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21日 | 駘蕩の気の大宮人 |
ももしきの 大宮人は 暇あれや 梅をかざして ここに集へる |
巻10-1883 |
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22日 |
明日香村 |
さ檜の隈 檜の隈川の 瀬を早み 君が手取らば 言―ことー寄せむかも |
巻7-4409 |
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23日 |
采女の 袖吹きかへす 明日香風 都を遠み いたづらに吹く |
志貴皇子 巻1-51 |
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24日 | 春の歌垣―恋の断片 | むらさきは 灰さすものそ 海石榴市―つばいちーの 八十−やそーのちまたに 逢える児や誰 |
巻12-3101 |
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25日 | 春の歌垣 |
たらちねの 母が呼ぶ名を 申せめど 路行く人を 誰と知りてか |
巻12-3102 |
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26日 |
弓月が嶽 |
たまかぎる 夕さり来れば 猟人―さつひとーの 弓月が嶽に 霞たなびく |
巻10-1816 |
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27日 |
霞 |
ひさかたの 天の香具山 この夕 霞たなびく 春立つらしも |
巻10-1812 |
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28日 |
呼子鳥 |
大和には 鳴きてか来らむ 呼子鳥 象―きさーの中山 呼びそ越ゆなる |
高市黒人 巻1-70 |
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29日 | 河内 かふち |
山川も 依りて仕ふる 神―かむーながら たぎつ河内に 船出せすかも |
柿本人麻呂 巻1-39 |
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30日 |
草 |
立ちかはり 古き都と なりぬれば 道の芝草 長く生ひにけり |
田辺福麻呂 巻6-1048 |