民主党・前原代表を評価する。

 

1.  前原氏のあの顔つきは、嘘をつかない顔であると思っていた。前代表の岡田は、当に原理主義的な顔で、融通の利かない顔と見ていた。岡田は言葉の使い方に教養が無い。苦労も足りない、人間味も欠ける。トップとしては落第。前原は、基本的には誠実なタイプの人間と見る。それに苦学しているから岡田より遥かに幅がある。

2.  昨年末、アメリカでの発言を観察すると、過去の野党党首と違う、日本の国益・防衛を主に考えている。日米同盟を評価すると言っていたのだから当然ではあるが、戦後の野党としては、漸く普通の国らしくなった、国民の視点から見れば当然だが、前原を評価する。

3.  さて、中国に行きどんな発言するかと思いきや、これは昨年、本ホームページで評価した通り、中々やるじゃないかである。

4.  案の定、年末の民主党大会で平和ボケの党員から批判を浴びたが自説を曲げていないようである。ここで自説を変更したら、それこそ値打ちが喪失するのであり良かったと思う。氏は、外交の基本姿勢は同じであるべきだ。違いを出していくのは内政だ」と語った。これなら安心できるし、漸く日本も普通の国になるであろう。

5.  民主党など、横路とか管直人のような左派がいる。これらと決別しなくては、民主党の未来はないのではないか。社民党の福島が、おいで、おいでをしているから左派連中はで家出したら良い、是非にと切望する者である。それが真に日本の為である。すっきりする。

6.  前原氏に対する共同の報道。

「中国脅威論言い続ける」 前原氏が北京で強調

 

 民主党の前原誠司代表は13日夜、北京市内で記者会見し、中国の軍事力増強を「脅威」とした自らの発言に対する中国側の反発について「忌憚(きたん)なくものが言える関係に成熟させることが大事だ。(それなしに中国)トップに会えたとしても、問題解決にならない。どんな場所でも同じことを言い続ける」と強調した。

 同時に「軍事力増強や東シナ海のガス田開発の問題などでものを言って友好関係が築けないなら、その(発言自制による)友好は砂上の楼閣になってしまう」と指摘。「中国の軍事費の伸びに脅威を感じると言うことは日本の国会議員として大事で、そういう姿勢を貫く」とも述べた。(共同)

(12/13 23:49)

7.読売新聞社説 12月14日

 [前原米中訪問]「責任政党としての自覚を示した」

 政権を目指す責任政党を自任するなら、野党外交も日本の国益を踏まえるのは当然だ。

 民主党の前原代表が訪米、訪中を通じて示した外交、安全保障政策は、そうした観点に立ったものだろう。前原氏は、自らの路線で党をまとめてこそ、政権を視野に入れることができる。

 中国の軍事力増強について前原氏は、米国で「現実的脅威」と断じ、中国でも「率直に脅威を感じる」と述べた。

 中国は公表ベースで、国防費を17年連続で毎年10%以上も増やしているが、実際の額はその2〜3倍とも言われる。海軍は、西太平洋にまで進出し、昨年11月には中国の原子力潜水艦が日本の領海を侵犯した。中国の軍事大国化は地域の安全保障を脅かす要因となっている。

 前原氏が言うように、「米国の市場抜きでアジア経済の発展はありえない。米国の軍事的プレゼンスなくしてこの地域に安定はない」。東アジア共同体についても、米国を排除する考え方を否定したのは、もっともである。

 中国の東シナ海でのガス田開発については、中国の唐家セン国務委員(前外相)と会談し、「開発を停止しないのであれば、試掘を行うための国内法を整備しなければならない」と述べた。国益を守るという視点から、毅然(きぜん)とした姿勢を示すことは極めて重要だ。

 野党が政権交代を目指し、現実的な外交・安保を模索すれば、政府の政策と近くならざるを得ない。国の存立にかかわる政策が政権交代で大幅に変わっては、有権者は安心して政権を託せない。

 前原氏はシーレーン(海上交通路)の防衛強化のために多国間協力の枠組み作りを提唱した。中東からの原油輸送ルートは、日本経済の生命線だ。マラッカ海峡では海賊が出没し、海上テロへの懸念も強まっている。

 多国間でシーレーンを守るには集団的自衛権を行使する必要も出てくる。そのために集団的自衛権を行使できるよう憲法改正を検討すべきだ、というのが前原氏の主張だ。野党の党首が、シーレーン防衛の強化に関連して集団的自衛権の行使を打ち出したのは初めてだ。

 訪米、訪中での一連の前原発言に、「反米・反安保」を引きずる旧社会党勢力を抱えた党内からは、「小泉首相と同じ発言だ」「党の方針に反する」と反発の声が上がっている。前原氏にとっては、想定内の反応だろう。

 前原氏は、自らの外交・安保政策を党の方針として確立しなければならない。それが、民主党が政権政党に脱皮するうえでも欠かせない。

20051214136  読売新聞)