宣言「日本の神様は地球保護神」 
           日本海新聞 潮流 寄稿 平成
1919

古代から八百万の神々や大自然の偉大な働きを考えて「我々の身体は地球からの借り物」という日本人の思想は科学的に正しい。身体の凡ての元素は地球からの借り物で、我々は一定期間地球に存在したら身体をすべて地球や宇宙に返還する。

21世紀は、「生命の元の親」であるその地球に感謝し自然と共に生きるという日本的存念が世界人類に必要になってきた。

その思想の根幹にあるのが神道である。森の中で祈ることを日本人以外は考えつかなかった、森こそ生命の泉であり神である。人類の文明とか歴史を回顧すると、森の在る所、必ず文明は興り、森を食い潰した時、その文明は必ず滅んでいる。
日本は縄文の太古より
21世紀の現在まで国土は深い緑に覆われて、いよいよ栄えている。それは日本民族が古代から自覚の有無に拘らず神道が血となり肉となって森との共生・共存の思想で生きてきたからである。日本の原理即ち神道は森の原理と言える。

これに対して西洋の原理は物質主義に根ざし、大量生産・大量消費の思想を生み自然破壊を招いた。西洋文明は原理的に自然征服・破壊の欲求から生まれた荒々しい文明で、現在の地球環境破壊の思想的元凶である。現在の地球環境破壊は五百年にわたるこの西洋原理が破綻しつつある事を示す。
このような視点から帰納して行くと、日本の神様はまさに地球環境保護の大神様と言える。この日本の神様の原理こそ
21世紀の地球・人類の幸せを守る普遍的原理であると世界を啓蒙し周知せしめたいと切に願う。自然と環境に優しい神道こそ、世界を救う地球宗教だと我々は自信を持たねばならぬ。

世界的歴史学者アーノルド・トインビーが伊勢神宮に参拝して「この聖地に於いて私はすべての宗教の根底的統一性を感得する」と感動し毛筆で署名した。神道こそ地球人類の危機を救うと、人類の大英知トインビーが予言した事に日本人は矜持を持ってよい。

そこで新年にあたり、私は「日本の神様は地球環境保護神」だと宣言する。以下はその精神内容である。

日本神道は

@人間に幸せをもたらす森羅万象の偉大なるものを神として(あが)める。(自然崇拝) 

A 人間の幸せを築いた古代の偉大な人物も神として崇拝する祖先崇拝の思想で貫かれている。この敬神崇祖が神道の基本。(先祖崇拝) 

B 森と水は人間や万物の命を育てる元として、こよない感謝の対象とする。(森林は万物の命の水と酸素を育成)

C太陽は全生命の根源、その化身の天照大神(女性)は自ら働かれ機織(はたおり)された。天皇自ら田植えをされ、皇后も養蚕される伝統が続いている。働くこと、手を使うことは日本の美徳。(日本の労働は欣労(きんろう)) 

D森の中のお(やしろ)に鎮座され、簡素・質素を旨として地域や住民を護見守られる。(大地・住民保護)

E水は生命の根源であると共に清浄・清潔をもたらす、「ハラエタマエ・キヨメタマエ」を祈りの言葉とする。(清浄清潔は健康の基本)

F人間は死ねば、誰でも神となり「(みこと)または(みこと)」と呼ばれる。(先祖の祭り、人間の平等性)

Gもったいない、簡素を旨とし、平安・豊穣を祈り、人間に素朴な健康生活をもたらす。 (資源尊重)

H和魂(にぎたま)は穏やかな心で人間に自然の恵みを教え平和に導く。(平和共存の原理)

I日本の神様は大自然の心にかなう地球・人類生存の根幹原理そのものである。(人間は宇宙の一部)

(鳥取市)鳥取木鶏研究会 代表 徳永圀典