空恐ろしいこと

韓国は歴史的に中国に属し自ら小中華を自称し漢字を使ってきた。戦後独立しナショナリズムが起きハングルに一本化したのは朴正熙大統領で1970年から移行したと記憶する。それから既に50年、過半数の韓国人は漢字による過去の自国の歴史文物が読めなくなったと聞く。そして政府の都合の良い真実と異なる歴史が教科書により普及し、客観性の大きく欠けるものが新世代の歴史常識となったと言われる。

戦後開国の中華人民共和国も元々の漢字を1950年「簡体字」に移行して国民に普及した。韓国同様、あの中国の過去の漢字の歴史文物を読める国民が少ないと聞く。空恐ろしいことである。これまた歴史の真実から遠い政府ご都合歴史が国民に普及したこととなる。

両国とも連綿たる国として見れば空恐ろしいことである。それにより歴史の真実は架空のこととなり不実は後世に伝えられ真実は抹殺される。真実を直視し国民が内省してこそ民族の真の普遍的前進があると思うのだが残念な両国である。

元来、中国は革命により前政権を抹殺する歴史の繰り返しである。革命の国だから前の皇帝の歴史・文物を平気で抹殺する歴史的習性がある。連綿として、真実と正確を歴史の旨とする日本とは大違い。

どの国も民族の矜持を大切にするのは至極当然だが、歴史の真実の糊塗は大きな弊害が子々孫々はもとより人類史的にも波及して影響が深刻となるのだが、悲しい政治的現実を深い悲しみを以て凝視する昨今である。 令和2年1月17日

                  徳永圀典