211日 解説

 義理を講じ、哲学を修め、理に従う、法則に従う、法を学ぶということになると、どうしても浄几(じょうき)明窓(めいそう)(きよ)い机、明るい窓に()って古人の書を読むということにならなければならぬ。ならざるを得ない。人間の幸福これより大なるしなしだ。

私自身の狭い体験からいっても、私が本当に歴史というものも古今東西を洞観(どうかん)し、一視(いっし)するという、換言すれば、時間と空間というものの制限を超越して、この自由を得るくらい楽しいことはない。  東洋人物学