1月の言葉
破廉恥からの打出を
破廉恥という言葉があります。最近は消えてしまいました。
だから、政治も経済も混乱し破壊的となりつつあります。
破廉恥という言葉はあらゆる理屈を無視する虚無的な意味であります。
それがもたらす破壊には一切のものが含まれ、生活体制、政治体制、法制の破壊から道徳の無視にいたるまで種々様々で、その最も非人間的な言葉が破廉恥であります。
私の常識で破廉恥という言葉は、
人間として最も軽蔑すべき言葉であって、破廉恥な奴だと言われることは、男女共に致命的な攻撃非難でありました。
―処が、テレビもタレントも新聞社も政治家も、破廉恥と云っていいような現実となっております。
我々の感覚とはそこまでずれてきております。
最大の侮辱の言葉が何でもなくなくなっている。時代は大きな転換期を迎えております。
ですから、風紀紊乱、享楽・耽溺・没頭し、その最大のものが、所謂フリーセックスです。日本はまだヨーロッパに比べるとよいほうです。然し次第にヨーロッパに近づきつつあります。第一次大戦後ドイツ国内の風紀が紊れ、ベルリンに有名な女神の像がありますが、当時ベルリンで処女はこの女神の像だけであると言われるまで頽廃したそうであります。
日本の男女学生の風紀もかな紊れていると聞きますが、日本の将来を背負う大学生がこんな状態では実に困ったことであります。
そこで一体これをどうして解脱・救済するか、新しい時代、新しい人間を創造するかということが最も大切であります。禅家ではこれを打出と言うそうであります。
これは刀を鍛えるように叩き出すという意味であります。
この混乱と頽廃の中から本当のものをうち出すことが大切であります。
これにはやはり論語にある通り「学ぶに如かざるなり」であります。
徳永圀典記