夢寝未能除小忿 文辞猶欲事虚名

   宋 (りく)(ほう)(おう)

 夢で寝ている間も小さな憤りを除くことができない。何か平常のむしゃくしゃがあると見えて、つまらぬ夢を見る。またどうも俺は、つまらない人間のことに引っかかっていることがこれで判る。

本当に楽しんで書いているのではない。創作活動に駆られて純粋に書いているのではなくて、やはり虚名を博そう、世間をやんやと言わせようと思って文章を書く、それでは本当の文章ではない。

これは非常によい対句です。陸放翁は河上肇さんが心酔した南宋の詩人であります。私もこの人の詩は非常に好きです。         暁鐘