世界の権力構造に地殻変動

習近平の覇権戦略構想

 

今年は、歴史戦争が過熱する、日本人は強く立ち向かわなくてはならぬ年であろう。

中国の習近平の帝王的、覇権主義は21世紀の「中華帝国」を地球規模で確立しようとして様々な対応を着々と進めている。

その地球規模の野望を俯瞰してみる。

 

1.   21世紀版シルクロード

三つの「国際高速鉄道」

1.   欧亜 

2.   中亜

3.   汎亜

その遂行の具体的手段として、世界最大の外貨準備高4兆ドルを原資としてインフラ銀行を設立した。

これに中国の資金、モノマネ技術、そして溢れる人民労働力を投入する。

 

2.   中国中心の「自由貿易圏」の枠組み

ーー囲い込みのこと。

1.   FTAAP アジア太平洋自由貿易圏

2.   FTA     東南アジアとの自由貿易協定

(韓国とオーストラリアも協定締結した。

 参考 TPP 環太平洋自由貿易協定を非難している。

 アジア太平洋の宗主国へ邁進しようとしている。

3.   新シルクロード

1.   南シナ海、東シナ海、中央アジアと経済領土拡大を追及している。

4.エクアドルに運河建設開始  4兆円。

 これはパナマ運河に対抗するもの。

5.ままならぬのが尖閣であり沖縄となり、執拗にこれが獲得に邁進すると見ておかなくてはならぬ日本の構図となる。

 

世界の外貨準備高の六割が中国が占めているといわれる。4兆ドルである。日本は1兆ドル。

敗戦後の世界の金融は、IMF体制である。現在米国の出資が議決権16.7%ダントツ、日本は二位、中国は極めて低かったが近年第三位出資国となったが、胴元はアメリカであり西側優位で中国は歯が立たない。本部はワシントンだか、最近、専務理事が本部を北京へ移転する考えを表明した。

IMFの出資比率の上位10カ国

順位

?

新出資
比率

現在の
出資比率

米国

17.41

17.67

日本

?6.46

?6.56

中国

?6.39

?4.00

ドイツ

?5.59

?6.11

フランス

?4.23

?4.50

?

?4.23

?4.50

イタリア

?3.16

?3.31

インド

?2.75

?2.44

ロシア

?2.71

?2.49

10

ブラジル

?2.32

?1.78

 

世界の権力構造に地殻変動

を感じるのは私だけではない。

中国の言う「平和的な台頭」とは札束台頭である。

中国のマネーと利権に参加すると、その代償として「奴隷の平和」となり属国へとなる道が用意されることとなる。

具体例を斜陽のヨーロッパで観察する、

1ドイツ ヨーロッパの対中輸出の半分、極めて親密な経済関係だが、為に中国の人権問題、知的財産権問題でドイツは正論を吐かない。

2.英国の屈辱

1.首相が人権問題にふれず、国家のメンツを棄て中国の李首相の要求の国王面談をさせた。格相違の要求に屈した。--24千億円の商談成立。

2.中国の李首相が滞英中に、香港返還協定の50年自治は、もはや無いと中国に宣言された。

 

3.BP問題

 世界七大メジャーの一つ。

 石油メジャーとは、資本力と政治力で石油の探鉱(採掘)、生産、輸送、精製、販売ま での全段階を垂直統合で行い、シェアの大部分を寡占する石油系巨大企業複合体の総称。 石油メジャーのうち、特に、第二次世界大戦後から1970 年代まで、石油の生産をほぼ独 占状態に置いた7 社を セブン・シスターズと呼び、フランス石油(CFP TOTAL)を 加え、エイト・メジャーズとも言った。 資源ナショナリズムにより石油輸出国機構(OPEC が主導権を握るまで、世界の石油のほぼ全てを支配していた。 こうした石油メジャーは、その後統合や再編をくりかえし、セブン・シスターズからス ーパーメジャー、そして新セブン・シスターズ等と分類される事もあり、また国連で資源 ナショナリズムが容認されて以来、他のアラブやアジアの石油企業も着実にその存在感を 増している。



注) セブン・シスターズとは
. 1
スタンダードオイルニュージャージー(後のエッソ、その後1999 年にモービルと合併しエクソンモービルに)
. 2
ロイヤルダッチシェル(オランダ60 /英国40
. 3
アングロペルシャ石油会社(後のブリティッシュペトロリアム2001 年に会社名の変更でBP に)
. 4
スタンダードオイルニューヨーク(後のモービル、その後1999 年にエクソンと合併してエクソンモービルに)
. 5
スタンダードオイルカリフォルニア(後のシェブロン)
. 6
ガルフオイル(後のシェブロン、一部はBP に)
. 7
テキサコ(後のシェブロン

 メキシコ湾で大量原油流出で米国は200億ドルの補償獲得。中国が猛烈に接近し、中国の海洋石油公司と2兆円の締結をして反米国にさせつつある。

中国の札束は石油の世界戦略を伺わせる。

ロイヤルダッチシェルとも関係を強化している。

 

南シナ海は核心的利益

ベトナムとかフィリピンなど眼中にないようである。

中国近海の6000以上の無人島の管理強化と中国に帰属する法律を作っている。

 

傍若無人に帝国へと邁進している。

 

中国の野望の全貌がほぼ明白となりつつある。

根源的「掟」である、

「エネルギー資源を握るもの、価格決定権を含めた意にシャチブを握る者が世界を支配する」のである。

それには、米国の影響を排除することとなる。

先ず、アジア太平洋の覇者たらんとしている中国・習近平となる。

 

インフラ銀行を牛耳り、欧亜、中亜、汎亜と、全ては北京へと新シルクロード建設を夢見ているのであろう。

結論、

新世界秩序の覇者たらんとしている。

しかも中国共産党が、世界の金融、資源、貿易、経済分野においての絶対的な権力基盤を確保しようとしているのだ。

世界に地殻変動が起こっている。

ヨーロッパはEUCは瓦解寸前、

米国は疲弊している。

まだ軍事的には米国が圧倒的に強いが・・・

 

中国に擦り寄れば、香港同様となり、

 

民主も、自由も、人権も奪われる、

 

奴隷国家・地域の属国となる、

 

そうならない為に、日本が進むべき道は、

 

核武装となる。

 

さもなくば、「鎖国」で小さく暮らすか・・・・

 

戦後70年は、

 

言われ無き歴史戦争に始まりとなる。

 

日本人の矜持を真に試される時代の到来を予感させる今年になりそうである。

 

         平成27122

     徳永日本学研究所 代表 徳永圀典