風土比較―欧州と日本

人間は環境の子と言われます。人間にとりそれは宿命的なものです。

当たり前のことで、環境の存在を気に留めないで生きてきた。

日本は、当たり前となっているが、

「光と水と土と緑」の調和した、極めて恵まれた、地上の天国と申してよいほどです。

 

どの国も同じようなものだと思い込んでいないか。

世界には、砂漠の国、草原の国、大森林の国、極寒の国、灼熱の国など厳しい環境の国があります。

 

今日は欧州に関しての永年の研究結果をお話したい。

ユーラシア大陸の西端の欧州、極東の日本、それは、それは

天と地ほどの違いがあることをご存じでしようか。

 

大生命の源、生物の活力の根源である太陽、その太陽の光の「量」の違い、山川草木に歴然と違いが出てますね。

 

「緯度」により異なりますね。

 

「文明は温帯から生まれる」と言われますが、

温帯を北緯40度あたりで、南北二つに分けると、

日本は「暖温帯」に入り、西洋は「冷温帯」に属します。

 

緯度、起点は赤道、北に向かい北緯、南は南緯

 

日本の緯度は、北緯20度から北緯46度の間、幅がある。

東京は北緯36度です、

 

ついでですが、経度は英国グリニッジ天文台から東西へ東経、西へ西経、北極と南極を通る線、子午線とも言いますね。

経度は時間を決める基準で日本は明石の子午線が基準ですね。東京ではありません。

 

東京の緯度は幾らか、36度です。

 

ここで西洋の主要な都市の緯度をお示しします。

-----質問するどれ位かと------

 ロンドン     北緯51

ベルリン     北緯53

----樺太の緯度質問する------

――樺太は50度です。ロンドン、ベルリンは少し樺太より北です。

デンマーク、コーペンハーゲンが56度、

ノルウェーのオスロ、スエーデンのストックホルム、

フィンランドのヘルシンキなどはほぼ60度、

 

これ、我々の想像のつかない程、冬の太陽光の乏しい都市ですね。

花のパリ―でさえ49度 高緯度です。

東京は36度ですからね。

 

地中海のナポリ、モナコなど、西洋では憧れの南欧、

ここは北海道の位置です。この緯度が憧れの太陽の地なのですね、

 

日本の主要都市、東京、大阪、福岡などは、欧州ではどの位置かと調べますと、

この緯度は、アルジェ、カサブランカ、カイロといつた

北アフリカ圏なのですよ。

アフリカでは、この緯度は、もはや砂漠と灼熱の国々です。

驚いたでしょう。

同じ緯度なのに、日本となぜ違うのは、日本のようには雨が殆ど降らないからです。

 

北欧の人々の髪や皮膚が白く、クル病が多いのは、太陽光の不足なのですね。

ヨーロッパ人を白人と呼ぶのはこの宿命的な環境が原因です。

彼らがバカンスのために夏に南欧へ移動するのは、乏しい太陽光線を補うための生理的欲求なのです。

 

日本では、真冬でも太陽がサンサンと輝く。

私の親友が、冬、ロンドンから帰った時、東京の空の明るさ、

光り輝く太陽の余りの明るさに、目がくらみそうだと感激したのを思い出した。

ロンドンは、冬、光が少ない上にスモッグが、陰惨と言うより凄惨の気が漂うとか。冬は滅多に太陽は仰げない。日が出ても、月光のような鈍い光らしい。

だからでしょう、日本のように「日照権」など育たない。

この暗い陰惨な風土は民族の心情の底に陰を落としているに違いありません。

 

気温に関して

色々調べてみますと、西欧と日本の気温を比較しますと

ロンドンの冬は、北へ流れるメキシコ暖龍の影響で気温的には日本と余り変わりません。

処が夏の最高気温が日本に比較して極めて低い。

ロンドンやベルリンでは、真夏さえ最低気温が12度に下がることもあるらしい。

植物が成長する夏に気温が高いか低いかは農業生産に大きな影響がある。

 

日本の夏はとても高温多湿で植物の成長には活気ある気候となっているのですね。

 

降雨量調べますと

ヨーロッパや地中海沿岸の年間降雨量が日本の三分の一、から五分の一と少ない。

その上に、雨も冬に多くて夏に少ないから植物が生育する夏に雨が少なく大地がカラカラし植物に致命的。

 

だから野の雑草は枯れ、日本の野辺のように虫が巣立ち、草葉が朝露に濡れるという「わび」「さび」の風情は出てきません。

 

聞く処によるとヨーロッパの農民は農作業の後に句をスキなど農具を畑にそのまま置いて平気なのは乾燥していて錆びる心配はないという。日本みたいに毎日持ち帰り洗って湿気をきれいにふき取る必要はないわけです。

 

このようにヨーロッパの大地は遥かの高緯度にあり、氷河時代にその作用受けて、地表の土壌が削り取られているのですね。

だから地殻の内部が地表ら露呈して、硬い岩石が地表に剥きだしているのです。

人間は、これを打ち砕かねば、町も耕作もできないのです。

日本のようにシャベルで庭に簡単に穴が掘れない。

 

私、ニーヨークのマンハッタン島に少しおりました。硬い岩石の一枚岩だと説明を受けました。セントラルパークの隣のホテルでしたが、氷河作用を受けたままの、硬い岩盤が剥き出しでした。

泥が全く混じらぬ一枚岩だからこそ、あの摩天楼のエンパイアーステイとビルが建つのですね。

ストックホルム、スエーテ゜ンですね、岩また岩で、ノーベルがダイナマイトを発明しなければならなかった理由が、これなのです。

この硬い岩を打ち砕かねば西洋人にとり長い間の夢だったのです。西洋人の夢を叶えてくれた恩人がノーベルのダイナマイトなのです。

 

日本は河川が運んでくれた土砂が、湖水や谷、浅海を埋め立ててできた沖積平野に住んでいるわけです。

泥のつまった堆積土で土壌は柔らか、植物の栄養をたっぷり含んでいる。地面を掘るのに日本はシャベル一つで足り、ダイナマイトは不要です。

 

このようにヨーロッパの大地の表面は、石の文化を生んだわけです。氷河が残した大地なのです。

だから、飛躍するわけではありません。農業はダメだから、収穫より略奪が当たり前の文化土壌でもあったたのですが、

今回はここまで。

 

世界の主要都市の緯度
レイキャビク(アイスランド)・・64度
イエローナイフ(カナダ)・・・62度
レイキャビクは世界で最も北に位置する首都
ということになると思います。
ストックホルム・・・59度
モスクワ・・・・・・55度
エジンバラ・・・・・55度
ベルファスト・・・・54度
ベルリン・・・・・・52度
ロンドン・・・・・・51度
パリ・・・・・・・・48度
シアトル・・・・・・47度
オタワ・・・・・・・45度

ローザンヌ・・・・・46度
ローザンヌはIOC(国際オリンピック委員会)があります。
ジュネーブ・・・・・46度
オタワ・・・・・・・45度
ソチ・・・・・・・・43度
札幌・・・・・・・・43度
ボストン・・・・・・42度
ローマ・・・・・・・41度
シカゴ・・・・・・・41度
ニューヨーク・・・・40度
ワシントン・・・・・38度
ホノルル・・・・・・21度

青森・・・・・・・・40度
秋田・・・・・・・・39度
仙台・・・・・・・・38度
新潟・・・・・・・・37度
長野・・・・・・・・37度
東京・・・・・・・・35度
大阪・・・・・・・・34度
広島・・・・・・・・34度
高知・・・・・・・・33度
熊本・・・・・・・・32度
鹿児島・・・・・・・31度
那覇・・・・・・・・26度

ウランバートル・・・47度
北京・・・・・・・・39度
ソウル・・・・・・・37度
北京・・・・・・・・39度
平昌・・・・・・・・37度

長野と平昌はともに北緯37度で、冬季五輪の開催地としては、最も緯度の低い都市になります。

上海・・・・・・・・31度

中東地域の都市をまとめると次のようになります。
アンカラ(トルコ)・39度
バグダッド(イラク)・・33度
ダマスカス(シリア)33度
アンマン(ヨルダン)31度
エルサレム・・・・・31度
カイロ・・・・・・・30度
ドバイ(UAE)・・25度
リヤド・・・・・・・24度
中東は、暑いイメージがありますが、実はそう南の方に位置するわけではなく、シリアのダマスカスは大阪と変わらず、エルサレムは鹿児島と同じぐらいの緯度ということになります。
ここからはおもに東南アジア諸国です。
ニューデリー・・・・・・・・28度
ダッカ(バングラデシュ)・・23度
ハノイ・・・・・・・・・・・21度
ビエンチャン(ラオス)・・・17度
バンコク・・・・・・・・・・13度
シンガポール・・・・・・・・ 1度
ジャカルタ・・・・・・・南緯 6度

ここからは、南半球の都市です。
リオデジャネイロ・・・南緯22度
ブエノスアイレス・・・南緯34度

ヨハネスブルグ(南ア)・・・南緯26度
ケープタウン(南ア)・・・・南緯33度

シドニー・・・・南緯33度
オークランド(NZ)・・・南緯37度
クライストチャーチ(NZ)・・南緯43度

南半球の緯度を北半球の緯度と比べると、
リオはかなり緯度が低く、ホノルルと同じぐらいであること
が分かります。8月のリオ五輪は南半球の冬に当たりますが、
現地からの報道を見ていると、緯度が低いので、寒いという
感じではないようです。
ブエノスアイレスやケープタウンは、東京、大阪と
ほぼ同じぐらいの緯度ということになります。シドニーも
そう変わらないですね。
ニュージーランドのクライストチャーチは、札幌と同じ
ぐらいの緯度です。現地の様子を見ていると、気候的にも
札幌とよく似ている感じがします。

 さて、この一覧を見ていると、日本の都市が、欧米の都市に比べ、
いかに緯度が低いか、よく分かります。
 これだけ緯度が違うと、欧米の暦や習慣をそのまま持ち
込んでも意味がないということも、また、よく分かります。

 たとえば、ジューン・ブライドです。
 6月の花嫁にはいいことがあるという言い方です。
 日本でも、いっとき、ジューン・ブライドという言い方
が流行し、実際に、6月に結婚式をする人が少なくありま
せんでした。
 しかし、6月は梅雨の真っ最中です。
 そんな雨の中で式を挙げても、と思います。
どうしてそんなことになったのでしょう。

 この緯度表で分かるように、欧州の主要都市は、みな高
緯度に位置します。高緯度の地方には、梅雨というものが
ないのです。日本でも、緯度の高い北海道には梅雨がほと
んどありません。
 欧州では、4月は、まだ冬の雰囲気がまだまだ色濃く残
ります。
 それが、6月になると、いっぺんに春が来て、花が一気
に咲き乱れます。
 緯度が高いから、そうなるのです。
 だから、欧州では6月に結婚式をすると、最高の気候の
なかで式を挙げられます。
 だから、ジューン・ブライドなのです。

 欧州に比べて緯度の低い日本では、欧州の6月に相当す
る月は、桜が咲き誇る4月です。
 日本は、欧州より春が早くくるのです。
 だから、日本でいい季節は6月ではなく、4月です。
 緯度の違い、風土の違いを無視して、緯度の低い日本で、
欧州のジューン・ブライドという考え方を持ちこむのは、
少々、無理があるということになります。

 緯度の高さは、その国や地域の風土に大きな影響を与え
ています。それを無視して、ほかの国や地域の習慣を導入
しようとすると、いろいろ不都合なことが起きてしまいます。
 
青森・・・・・・・・40度
仙台・・・・・・・・38度
長野・・・・・・・・37度

東京・・・・・・・・35度
大阪・・・・・・・・34度
鹿児島・・・・・・・31度
那覇・・・・・・・・26度