2月12日 民族とは精神である その一

 私はどういう因縁か大学時代から、特に中国を中心に、日本の栄枯盛衰の歴史を学び、世に立ってからは近代日本の大正以来の変遷をつぶさに身をもって体験して参りました。国家の機密にも常に参画し、戦前・戦中・戦後と激変して参りました日本の時勢を身をもって体験して参りました。そして今もそれを体験しておるのでありますが、そういう学問の体験に徴して、今日の日本、明日の日本というものを考えた時、なんとも言い知れぬ大きな危惧を抱かざるを得ないのであります。まかり間違ったならば、恐らくここ数年の日本は収拾すべからざる混乱に陥って、相当期間、暗黒時代・恐怖時代が来ないとも限らない。