2月14日 民族とは精神である その三

 例えば、イスラエルというところは、ユダヤ民族の聖地でありまして、今日もある意味ではヨーロッパとアラブの争いの火元のような所でありますが、しかし昔のイスラエル民族というものは今日殆どないと言って宜しい。またあの世界の学問の一つの発祥地であるギリシャにしても、その文化の遺産は今日も遺っておりますけれども、ギリシャ民族は、今日あると言ってよいのか、分からぬ程に民族の血のつながりというものは無くなってしまっております。ローマもまた然りであります。シーザーやプルタスのあのローマ人は、もはや今日亡んでおるといって宜しい。