2月15日 民族とは精神である その四

 要するに、これはみな精神的頽廃によって亡んでおるのであります。どんな学問をするとか、どんな産物を出すとか、或いはどんなに経済を開発するとか、というようなことはなるほど現実的には重大な問題に違いないけれども、永遠という性命から言うならば、そういうものは極めてはかないものであります。何が民族であるか、という民族の第一義に立てば、いかにして精神、民族精神を養ったか、ということが民族の凡てであって、これはもう東洋では古くから先哲の言うことでありますけれども、長い目でみると結局は精神に帰するのであります。  人間学のすすめ