218日 明師良友 その一

 明師良友は我々の隠れた内在の性に通ずる道を拓き我々をこの道に鞭撻する。我は何であるか。真実何を()つかを徹見せしめる。人には種々豊富な潜在的能力、才徳があるが、丁度色彩に対する鋭敏な感覚を有する画家の作品に依って始めて我々も自然に於ける色彩美を感知し、今まで単純な音響しか聞く耳を持たなかった者が微妙な音楽家の弾奏に依って始めて音楽の世界を発見するように、人の潜在的能力も明師良友を持って様々な風情を現じ徳音を発する。

師友の情と義とは(かく)の如く(じん)(しん)微妙(びみょう)なものであるが、尚師友に関して特に「知己の恩情」を知って置かなければならない。