2月20日 見在の身
湿(しつ)をさけ寒をさけて門を出でず
一(いっ)冬(とう)未だ冠巾(かんきん)を正すを省みず
月、雪後(せつご)より皆奇(き)夜(や)なり
天、梅のほとりにおいて別春を開く
燭(しょく)をとって登隣(とうりん)し空しく旧を語り
炉(ろ)を擁(よう)して情味(じょうみ)・新をおもふなし
栄華勢(えいがせい)利(り)は人にまけ慣れて
かちえたり樽前(そんぜん)見在(けんざい)の身
宋 范石湖 親戚小集