220日  見在の身

湿(しつ)をさけ寒をさけて門を出でず

(いっ)(とう)未だ冠巾(かんきん)を正すを省みず

月、雪後(せつご)より皆()()なり

天、梅のほとりにおいて別春を開く

(しょく)をとって登隣(とうりん)し空しく旧を語り

()(よう)して情味(じょうみ)・新をおもふなし

栄華勢(えいがせい)()は人にまけ慣れて

かちえたり樽前(そんぜん)見在(けんざい)の身

           宋 范石湖 親戚小集