2月23日 君と我の解説
?鱗委翅は?鱗潜翼とも云う。魚鳥が待機の姿勢で静かにしておることに比して、志ある者が期する所あって沈着いておることをいう。煌々とは心満たされずして忙しくする形容詞。
李白の酒の諸作、藤田東湖の瓢の詩、大伴旅人の酒の歌など、酒に関する傑作はさすがに多い。この作なども一気呵成の慨があって、何人も一誦して眉を開くものがある。
上手に世を渡る秀才や腕っこき連に対して、世渡りの下手な苦労性の理想家が一向に報いられる時のない不遇をさして実に妙味があるではないか。まあ飲むさ、君。 百朝集