四患
第一「偽」、 第二「私」、 第三「放」、 第四「奢」。
「偽」
偽がよくないということ。これは政治ばかりではありません。偽はイ偏に為すという字ですが、元来、人の為すことは往々偽にもなります。
「私」
私心があってはならぬ、ということ。
「放」
規律を失って、放埓・放縦になってはいけないということ。法律や法則・道徳を守らなくなることです。
「奢」
国民が贅沢になってはいけないということ。奢は国民の命取りであるばかりでなく、国政にも命取りになります。
あらん限りを尽くしてきた日本
この四つが揃ったら、絶対にうまくゆかないというのであります。
処が、日本は今まで、この偽・私・放・奢のあらん限りを尽くしてきたと申してよいでしょう。恐ろしいことです。
然も四患だけではなく五寒(近々解説予定)も揃っています。
これは尋常に済むわけがありません。そこで思い切って大改革をやらなければいけないというのが必然の要請であります。
処が人間には因習になづむということがありまして、今迄の悪い習慣を一掃して、国民が瞠目するような大革新をやるということは、言うは易く行うは難い。
安岡正篤先生の言葉