24日 近代文明の無反省発達その二

 飲み物にしてもその通りで、日本酒からビールから清涼飲料水からウイスキーからブランデーからなんぼでもある。そこへ映画、シネラマ、ラジオ、テレビ、色んなものがどんどん家庭にまで入ってきておりますし、それから競輪とか競馬とか競艇とか温泉とか大衆相手の娯楽機関がいやが上にも増加する。

でありますから、人々はもうこの飲食娯楽の刺激だけでも、それらに駆り立てられて殆ど余裕というものを持たない。それだけ、いくら稼いでも、いくら収入を得ても、生活が苦しい。テレビも買わなきゃならん、電気洗濯機も買わなきゃならん、いろいろ便利な機械もどんどん入ってくる。いくらでも買うものがある。隣りも買ったからこっちも買いたくなる。ラジオ、テレビで、これでもか、これでもかと宣伝される、いつかこれに巻き込まれる。