25日 大田解説

 読書子(どくしょし)は皆こうしたものである。懐かしい告白ではないか。僕はまた50になんなんとして是の通りであったが、戦火に遭って総て灰燼に帰した。ただ一点童心の銷尽(しょうじん)せぬものがあって、またこれを繰り返している。一夜読書のついでにこれを発見し覚えず身につまされて紹介する次第である。

なお疎記とは、要点を箇条書きにすること。南畝は蜀山人の雅号を以て世に知られているが実は漢学者である。太田でなく大田と書く。   百朝集