国家的大指導者よ、い出よ!!

 

我輩は今年は八十五歳の老翁である。

毎日・日夜、広く我が国はおろか世界の指導者をウオッチし、人物器量を俯瞰しておるが、一昔前と比べると誠に大人物と思うのが居ない。平和が続くとこのようになるのであろう。

自分の国は自分で守るという当然のことが70年間に亘り放棄していたからである、安倍総理の後継者として安心できる人物が政界に見当たらぬ。悲しいことだ。

 

世界は、アメリカの力の傘が破れて、勢力均衡が綻びで世界的に「新たな勢力均衡の時代」に没入している。國際社会が新たな力関係を模索しているのだ。

 

今後、この荒波の中で、日本が生き残って行くのが最大の課題であるが、それを牽引するような魅力的な政治家が思い当たらぬ。恐ろしいことではある。

 

では、どのような資質が指導者に必要なのか

 1.「大義」を持ち、旗印を掲げて牽引する魅力ある政治家でなくてはならぬ。

 2.国家・社会を思慮深く考えて力強く行動する指導者のことである。

 3具体的にその資質をあげてみよう。

1.   指導者は「三高」が必須綱目である。

 必要なのは高安定・高感度・高淡白である。

  1.「高安定」とは確固たる考えを持ち揺らがない。 

  2.「高感度」とは、社会の変革や技術革新に対して敏感であること。

  3.「高淡白」とは、地位や名誉への執着を捨てられる人である。

それには、組織や過去の肩書きから離れて、

「素の自分」に戻り、どこにも所属しない「無の

存在」としての時間を持った人から生まれる。

  それは孤独に耐え、沈思黙考する時間を費やさねば生まれぬ。

アメリカの大成功者は、アップルでもグーグルでも世

界を支配しているが「大志」を持ち、野心をむき出し

て成功した企業家ばかりである。

リーダー不在の日本、むべなるかな、ではすまされな

いこれからの世界である。

 

註 むべ あけびに似た果物。

 「むべなるかな(いかにももっともなことであるなあ)」

 晩秋、ほのかに甘い赤紫の実のなるアケビ科の低木「ムベ」。この植物の語源が、天智天皇が発せられた一言だった。

 琵琶湖のほとり、近江八幡市北津田町に古い伝説、蒲生野に狩りに出た天智天皇、8人の男子を持つ健康な老夫婦に出会う。「汝ら如何にかく長寿ぞ」と尋ねた。夫婦はこの地で取れる珍しい果物が無病長寿の霊果であり、毎年秋にこれを食するためと答えた。賞味した天皇は「むべなるかな」と得心、「斯くの如き霊果は例年貢進せよ」と命じられた。

   平成28年元旦

 徳永日本学研究所 代表 徳永圀典