我らが祖国 まさに崩壊せんとす  

「南九州の制空権 すでに敵の手中にあり 我らが祖国 まさに崩壊せんとす

生をこの国に()けしもの なんぞ 生命を惜しまん 

愚劣なりし日本よ 優柔不断なる日本よ 

汝 いかに愚劣なりとも 

我らこの国の人たる以上 その防衛に 奮起せざるをえず」  

                          林伊夫少尉  

                     
         詩集「第八〇一航空隊 美保海軍基地」にそう記した京都帝大の俊才
    海軍飛行予備学生出身の林伊夫少尉 昭和二十年七月 敵戦闘機群の
    襲撃を受け交戦、戦死。享年二十三。