世界情勢は「複雑怪奇」です

日本人はとかく「西側同盟」と「日米同盟」が堅い絆で結ばれていると勘違いしている。ですが、国際政治の舞台裏は「昨日の敵は今日の友」、「今日の友は明日の敵」であります。
最近は余り聞きませんが、 NATO(北大西洋条約機構)で団結していたはずの欧米同盟は、中国と対立する米国に驚くべき敵対者が出現しています。

英国とドイツが米国に敵対的態度を示すようになったのです。

英、独は中国に異常接近しているのです。

英国は金融市場で、ドイツは製造分野でこれまで以上の中国重視政策にかじ取りを変えた。
その例をあげてみます、

ドイツの首相は昨年、二度も大型経済使節団を率いて訪中し、エアバス組立工場、ベンツ工場拡大などの契約をした。
 昨秋の反日暴動で、トヨタや日産の販売店も放火され破壊されたが、「日本はもういらない、ドイツが来るから」という中国からのメッセージ
なぜなら、中国の大功労者、「としょうへい」が訪ねて、あれほど中国経済に献身した松下幸之助のパナソニック工場が焼き打ちされました、「ドイツが本格進出するから、日本企業は去ってくれ」という暗黙の信号かもしれません。

 

思い出せば、先の大戦中、ドイツとは「日独伊三国同盟」の仲間でしたが、その同盟初期にさえ、中国軍にてこ入れしていたドイツであります
ドイツは、通貨体制の仲間でありながら、基軸通貨の米ドル優位に対抗し、ユーロをまとめ露骨に米国に挑戦した。

英国は金融市場の優位を維持・発展させるため、「ユーロ通貨圏」から離れてロンドンの金融センターを拡大する金融覇権を手放さず、シティ(ロンドン金融街)を中国人民元のオフショア市場に開放した。
怒り心頭した米国は、昨年、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の不正問題を追及し、英国を代表する巨大銀行の拡大を阻止する挙に出たのは記憶に新しい。
世界情勢は「複雑怪奇」に激変しています。

日本では政権交代が起き、株高・円安にぶれてアベノミクスによる景気回復が見えてきた。
この奇跡的動きは元寇における神風に近い。
 激動・激震が予測される今後、果たして日本人は経済成長回復という甘い期待だけではなく、どれほど精神的に不退転の決意を示せるのかがポイントとなりましょう。

多くの日本人が敗戦後70年、やっと気づいてきたようです。あの歌舞伎の名優、市川団十郎名優が亡くなりましたが、少し前、日本の現実を見て、こんな話をしていました。「今、大切なことは日本人が自信を取り戻すことでしょうね」とドングリ目をさら大きく開いていました。