民主党政権時代の『国家への破壊工作』実態

潜行する中国の「日米離反工作」 民主政権のツケも大きく… 2013.03.13 zakzak

 3度目の核実験を強行した北朝鮮に対し、最大の友好国である中国が態度を激変させている。国連安全保障理事会で、米国と協調して制裁強化決議を全会一致で採択させたのだ。米中接近の背景として、日中対立を見据えた「日米離反工作」が指摘されている。安倍晋三首相は、この事実を知っているのか。ジャーナリストの加賀孝英氏による衝撃リポート。

 米韓両軍は11日から、合同軍事演習「キー・リゾルブ」を開始した。北朝鮮軍が総攻撃を仕掛けてきたとの想定で、韓国軍約1万人、米軍約3500人が参加している。

 これに対し、北朝鮮は「戦争演習だ」と反発し、「朝鮮戦争の休戦協定を白紙化する」と宣言。「第2次朝鮮戦争も辞さず」「核攻撃でソウルだけでなくワシントンも火の海にする」と威嚇するなど、朝鮮半島は緊迫している。

 非常警戒態勢にある韓国政府の関係者がいう。

 「北朝鮮は、日本海と黄海に船舶と航空機の航行・飛行禁止区域を設定し、潜水艦と上陸用小型特殊潜航艇も出動させている。米韓に圧力を加えるために、ミサイル発射と4度目の核実験を同時に行う動きもある」

 「次の核実験は、広島・長崎原爆の数倍の威力があるブースト型核分裂爆弾(水素爆弾の前段階)を使うとみられる。地下核実験場を覆う土壌まで吹き飛ばされ、放射性物質が広範囲に拡散する危険がある」

 実は、朝鮮半島危機の前後、中国は「日本を出し抜く」ために、驚くべき外交戦術に出ていた。以下、旧知の米国防総省関係者の話だ。

 「制裁決議が採決されたのは、中国が北朝鮮擁護の姿勢から一転して、米国と共同歩調を取ったことに尽きる。ホワイトハウスも『中国は変わった』と評価している。中国の存在感はますます無視できなくなった」

 「最も驚いたのは、中国が非公式ルートで、北朝鮮の極秘情報を提供してきたこと。金正恩体制の内情や軍の動向、金正恩第1書記の叔母である金敬姫政治局員の病状などで、初めてだ」

 そして、こう続けた。

 「中国の狙いは、米国に『米中二大国』時代を認めさせ、協力体制を構築すること。つまり『米中接近』だ。オバマ大統領以下、第2期政権の中枢は『沖縄県・尖閣諸島は、主権問題は棚上げし、日中双方が話し合いのうえで共同開発がいい』に傾きつつある」

 対中強硬派だったヒラリー前国務長官の後任には、親中派として有名なケリー国務長官が着任した。これを受け、中国は新しい駐米大使に、前駐日大使の崔天凱外務次官を起用する人事を決めた。要は、中国は朝鮮半島危機に乗じて米国を籠絡し、「日米離反」を仕掛けているのだ。

 日本は、中国の巧みな外交戦術で追い込まれつつあるのだが、内なる危機も抱えている。

 警察庁関係者が語る。

 「民主党政権時代に、治安や司法、防衛に絡む組織はボロボロにされた。かつて日本の公安当局といえば、北朝鮮の金正日総書記の健康状態や血液型、心拍数、薬、DNAまで、すべてを把握し、米国を驚かせた。中国に負けなかった。全力で立て直している」

 官邸周辺も明かす。

 「安倍政権は発足以来、各省庁から『民主党政権下で何が行われたか』をヒアリングしている。正直、信じられない案件ばかり。『国家への破壊工作』としか思えないものもある」

 悲しいことに、現時点で、日本の外交力や情報収集力は、中国の後塵を拝している。安倍首相、どうか経済再生とともに、国家機能再建にも取り組んでいただきたい。