315日 国の禍の根源 その一

 国家の禍は、とかく人君より私欲より起こり、或いは大臣の私意より起こり、沢山の下の者が徒党を組んで、何派、何派というようなところから起こる。その原因は社稷を忘れたところにある。「社稷」とう言葉はまことにいい言葉であります。国家ということにも通ずる。「社」というのは、土地の神様。「稷」というのは、穀物・食物、五穀の神様。土地の神と食物の神、つまり土地の支配者と食料の支配者、これが社と稷、それを合わせて国家・社会を社稷と言う面白い文字です。