加茂の葵まつり 

まつり見の川をへだてて会釈かな   坂東箕助 

()()りの日かげ散斑(ちりふ)なる 糺の森の下路(しもじ)
葵かつらの(かんむり)して 近衛使(このえつかい)の神まつり
             薄田泣(すすきだきゅう)(きん)
 

日本三大祭り、奈良の春日祭、石清水八幡の祭と。 

昔は「まつり」と言えば葵祭のことであったという。

国家的な朝廷の祭祀であったのだ。勅使には最高位の摂政関白の子弟の若い公家が任命された。斎王に誰がなるのか朝野の大きな話題であったと言う。 

源氏物語や徒然草に出てくる葵祭りの盛況が偲ばれる。                

岫雲斎圀典