女子教育が悪いと民族は衰退する

・・・・もう一つは女子教育です。わが国は、これが非常に優れておりました。元来、武士階級は、鎌倉時代から女子教育に力を入れましたので非常に良い教育が行われておりました。

特に徳川時代には、これが成功し、実に頭の下がるような女性が現れました。この二つが徳川幕府を支えた根本要素であります。易学の原則に徴しても徳川時代になっても巧く成功しておるのであります。

その惰力で、明治時代はよかった。処が大正・昭和となりまして、こういう興亡の哲学というような点から申しましても、非常に浅薄になり、画一的機械的になりました。

そこで色んなことが乱れてきたのでありますが、一番心配なのは、女子教育でありまして、これが甚だ残念ながら当を得ていないことであります。

今日のような女子教育、女性生活、その文化というものを野放しにしておきますと、日本民族は、遠からず衰退するのではないかと、英知に富む歴史家たち、歴史哲学者が心配しております。
 

                   (安岡正篤先生・易と人生哲学より)