32日 解説

 古人に「成功は常に辛苦の日にあり。敗事は多く得意の時に因る」という有名な格言があります。ちょっと成功したからと言って軽々しく得意になるような人間は、たいてい軽薄で、経験に乏しく、深く反省することをしないものです。

カーライルの言葉の通り、人間は苦悩によって練られてゆくのでありまして、肉体的にも精神的にも人間が成長してゆくために苦悩は欠くことの出来ない条件であります。そこで苦悩に敗れたらおしまいですから、過失や失敗のためら取り乱さないよう心がける必要がある。            先哲講座