このままでは中国の属国になる 

佐々淳行 初代内閣安全保障室長

 

鳩山・管氏二代に亘って世界に見下げられ、帆柱も舵も失って漂流する日本は、断じて「私たちが望んだ日本」ではない。

 

元全共闘、左派社会党、労組幹部、市民運動家ら、市民あって国民なく、市民社会あって国家なき左翼・反米・親中・朝・露革命分子らによって「簒奪(さんだつ)」即ち正統な王位継承権もなき(せん)(おう)たちに無血革命で乗っ取られたハイジャック機のような政権である。

 

自民党の腐敗堕落に嫌悪感を持った有権者が「一ぺん民主党にやらせてみるか」と言った軽い気持ちで民主党に309議席も与えた投票行動が不味かった。

 

政権担当能力のない政党の、口から出まかせのマニフェストと呼ぶ詐欺にかかって政権を委ね、底知れぬバカのサロン・コミュニストや、市民運動家以上でも以下でもない元過激派学生という、もともと日本の総理にしてはいけない政治家を総理にしてしまった有権者たちは、今や「一億(いちおく)総懺悔(そうざんげ)」の(とき)である。

 

では、どうすればよいかと言えば、国民の信を失い、支持率20%を切った管内閣は、総辞職すべきである。

 

このまま民主党に政治・経済・外交・防衛をやらせておいたら、五年以内に、日本は、中国の属国となるか、開き直って核武装するかの二者択一(にしゃたくいつ)を迫られることになるだろう。

明年、2012年は国際政治外交上、大変な危機の年である。

 

オバマの大統領選挙、メドベージェフ・ロシア大統領選挙、胡錦濤中国国家主席の交代(多分習近平)、李明博韓国大統領の改選、そして北朝鮮正日と三男正恩と世襲と、いわゆる極東諸問題の仕組みである六ヶ国協議の指導者交代、しかもその内、四ヶ国は核武装国なのだ。

 

エジプト崩壊により第五次中東戦争と石油危機が起きそうだ。

 

国の基本使命は「治安・防衛・外交」だ。少なくともその認識を持ち、「ノーブレス・オブリージ」(高い身分に伴う思い義務)を意識し、国家・国民を憂う政治家に政権交代すべきだ。

 

解散総選挙や、保守大連立が無理なら、゛めて民主党内での政権交代、例えば前原総理の「松下政経塾内閣」に改造するなど、指導者の撰び直しが急務である。