3月25日 全き文明 その二

 そうすると世界文明と言うものの創造に我々の占めるべき地位、立場、使命というものがはっきりします。我々の持っているものが根本になって、彼らが花となり、葉となり、実となる。今日までせっかく発達してまいりました大西洋の文化を再び生命あらしめるや伊南我々の本領とするところの精神能力を自覚することも発揮することが足りなければ今までの人類の努力というものは禍になる。花を生じたにつけ、葉を茂らせたがために、木が枯れるということになるのです。ここで初めて明日の世界に対する自信と、深き覚悟とをもって我々の学問をし、我々の社会を正しく変革して行くことができると思います。その自覚が無いと徒に結局、水掛け論や暗中模索に終ってしまうのであります。     日本精神通義